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第6話 存在しないはずの商品
東北地方岩手県にある池首市内の某スーパーの鮮魚コーナーに、誰も置いた覚えのない「パック」が置かれるという事件が発生した。加工日は1979年7月9日。消費期限は1993年8月5日。商品名は「汚れた高み オギノさん」。たまたま買い物に来ていた主婦・滝恵津子さんとその次男・滝隼人くんはそれを見て「なんらかの失敗だあ」とケラケラ笑ってから、それを店員にちくちくと報告した。店員は勿論こんな商品置いたおぼえはないから、不気味に思い、店長に確かめると、店長は訳知り顔で「次にこれを見たら迷わず捨てなさい」と言ってみせた。