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第44話 呪縛箱 5
──なんとも「辛勝」というふうにだけれど。
おばけに勝つことが出来た。息切れをしていて、背中には汗がびっしょり。赤色のオーラを収めるとある程度回復した。霊力は生命エネルギーのようなものらしい。
「さてこれから……どうしたものか」
「どうしたもこうしたも現れる怪異を壊すまでじゃないかな」
俺たちはとりあえず岩手山に向かって歩いてみることにした。そうしていると、白くのっぺりとした大きな細身の化け物が落ちてきた。
「ナナシだっ」
「多すぎねぇ?」
「量産型戦闘員って師匠が言っていたな」
俺は持ち運び用悠コレクションから「はじめてのお泊まり会の写真」を取り出すと、キスをした。……2秒から……3秒ほど。どれだけ接吻してたか分からねェ。
「いくぞテメェら……まだまだ暴れられるよな?」
「当たり前だろ」
「一番心配なのはお前だよ、隼人」
「隼人体力ねェもんな」
「じゃああれやるか」
「「あれ?」」
「競い合い」
いいね、と一郎くんが笑う。
「最初にバテた奴ザコ!」
弾くんが笑いながら言った。




