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空想怪奇ラフ  作者: 蟹谷梅次
空想怪奇ラフ 呪縛箱
30/100

第30話 決して

 まさかの力技を見せられた後に、なにかずうんと腹の底に響くような音が聞こえた。


「聞こえたかい。これが呪縛の穴埋めだ。この世の何処かに怪異が生み出されたぞ」

「どうしましょう。その怪異というのは、どこにあ?んでしょう」

「大抵は呪縛に隙を生じさせた原因から程遠くないところにある。池首市か奥州・平泉・一関・陸前高田・住田だ」

「これから探すんですか」

「そういうことになる。しかし今日ではない。なので今日は今のところ解散となる。君も非常に気を付けて生活したまえ。もし怪異をみつけてもひとりでどうにかしよう等とは考えず、アーシに連絡しなさい」

「うん。わかりました」

「よし」


 頭を撫でられた。


「子供じゃないです。やめてください」

「子供だよ。はちゃめちゃに子供だ」

「だとしても……」

「不満かい」

「そりゃあ……いい思いはしないですよ」

「なら悪いね。ぼくの師匠からの教えだ」


 また「ぼく」だ。


「なんていう教えですか」

「聡い子には褒美を」

「へー……」


 ともかく。


「俺、頭撫でられるの嫌なのでやめてください」

「悪かったね」

「悪いですよ」


 おばけがどこかに現れた。これから必ず押し寄せてくる。師匠は「ひとりでどうにかしようとするな」と……そうは言うけれど、俺も人類の味方として……。どうにかしないと……いけないよな。それに、例えばの話だが、そのおばけが悠に手を出したとしたら。多分、抑えが利かなくなるだろうし。


「その時はその時ですね」

「……? その発言の意図は……? 訴えるとか通報するとかそういう話をしてる?」

「してないですよ。なんですか」

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