表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空想怪奇ラフ  作者: 蟹谷梅次
空想怪奇ラフ 呪縛箱
25/100

第25話 物売り市 1

 池首市は岩手県の県南にあって、隣接する市は奥州・平泉・一関・陸前高田・住田の5つ。昔はよく人身の売買があり、忌々しい習わしの贄の出し方に池に沈めるというものがあり、その習わしが終わったあとにも処刑の方法としてその贄の方法が使われたので、その池から飛び出した頭がつねに見えていたことから「池首」と名付けられたらしい。また、池首市は市として成り立つ前は、隣接する区域や宮城からの商人を受け入れて、物売りの(いち)のある日には街はとても賑わったのだという。その賑わいは平成25年になった今も残っており、物売り市という日がある。池首駅通り商店街やそこに隣接する池首公園でバザーが開かれる。


「隼人くん! 一郎くん! 弾くん! 悠くん! アーシいまから便所に行ってくるから盗まれないようにちゃんと見張っていてくれよ!」


 師匠はそう言って、バタバタと便所に向かっていってしまった。頻尿だなぁ、と思いながら見送る。


「お前の師匠さんさ、頻尿の癖に喉の渇きが頻繁に訪れるよな」

「糖尿病か?」

「ううむ……」

「真冬日だからじゃねぇ?」

「あー。冬っておしっこ近くなるよな」

「そうかなぁ」

「悠、寒くないかい?」

「おう!」


 悠は厚手のパーカーに厚手のコート、それとふかふかのマフラーを被っていた。鼻の先はほんのりと赤くて、頬も赤くなっている。


「でも手がつめたいな」

「俺が温めるよ……」

「カイロあるから大丈夫だぜ」

「そっか」


 少し、がっかりした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ