第20話 追え! 5
そうしていると、公園によく知った顔が入ってきた。
「お前ら何してんの〜?」
「弾くん」
佐久間弾である。
「こいつまた何かへんなおばけの事件に巻き込まれてんの」
「またぁ? そういうの卒業しろよ」
「巻き込まれるのだから仕方ないでしょ」
「んで、いまは何を調べてんの?」
「『まくろ様』って書かれたシールが街中に貼られる怪事件あるだろ。あれ解決してんだよ」
「芋づる式の芋の部分だね。別に主題って訳じゃないさ」
弾くんを加えた3人で、俺たちは行動した。そして、「或カン光」にでてくる場所にはかなはず「まくろ様の紙」が貼られている事に気がついた。
「そのゲームの開発者ってのが誰だかわかれば良いんだけどね。パッケージとかには何も書かれてないの?」
「ダメダメ」
「エンドロールも隅から隅まで見たけどそれらしい名前はどこにも無かったよな」
「うん。だから『開発者』を攻めるのは無理だと判断したね」
「じゃあどうする?」
「順当に考えて……」
俺は懐に忍ばせていた「持ち運び用悠コレクション」からレシートを取り出す。市内でいちばん大きなリサイクルショップのレシートだ。
「此処を攻めてみたい。大人が必要だね。鳩汰兄ちゃんを頼ってみよう」
「おー。そうだな。……ちなみにお前それ何」
「持ち運び用悠コレクションだよ」
「持ち運び用?」
「あれ、弾。お前知らねえの? こいつ自分の部屋の天井裏に『悠コレクション』っていうコーナー設けてんだよ。そんで、福井との思い出の品を保管してる」
「キモ……」
「失敬だね」
それはともかく、俺は鳩汰兄ちゃんに掛け合って、了承をもらうと、兄ちゃんが運転する車に乗り込んで、ゲームの出品者を調べに向かった。こういうところを話してくれるようなことは無いだろうから、裏技を使うのだそうだ。
「裏技って?」
「弾くんは小さいだろ。それに比べて俺は大きいだろ。とてもね。こんなに車が窮屈なんだから。だからまず、人は視線を俺に向ける。すると、上を向くハメになるだろ。そこを背の低い君が帳簿を盗むんだ」
「ド窃盗じゃねぇか……」
リサイクルショップ「フランダーズ」に到着すると、鳩汰兄ちゃんの考えた通りに、店員全員の視線が鳩汰兄ちゃんに集中した。そこで、計画を実行する。
「あった! このゲームを売ったのは……志村だ!」
「志村?」
「住所等は載ってないか……」
「しかし……『関係ありそうな志村』といえば、どういうわけか1人だけ心当たりがあるぞ」
「心当たり? それって誰だい」
独特な臭さのあるコーナーを抜けてから、その名前を言う。
「志村誠。……郷土村で出会った男の子だよ。『白河童』に憑かれて殺されそうになっていたところを、俺と兄ちゃんで助けたじゃないか」
「あの子か。なぜ名前を?」
「帽子に書いてあったんだ。『志村誠』って」
「じゃあその志村誠っていう子供を探しに行こう!」
「うんっ」