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第2話 変な紙
俺が住んでいる池首市の入鈴という地区のいたる所に「まくろ様」と書かれた紙がノリでべっとりと貼り付けられているので、僕のお母さんは友だちの隼人という奴のお母さんと協力して、その紙を剥がして回っているようだった。隼人はオカルトに詳しいため、「まくろ様って何か知ってる?」と聞いてみるけど、隼人は「残念ながら」と、本当に残念そうに首を横に振った。
「もしかしたら誰かが自分で作った『神様』なのかもね」
「ウソの神様ネ。新興宗教ってやつか?」
「そうかもしれない。オカルト博士じゃないから深くはわからないけど、もしかしたら、本当は存在しているけど、『知られないようにされた』……そういうおばけなのかもしれない」
「こういうの考えんの凄い楽しい」
「わかる~」
犯人は未だ見つかっていない。