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空想怪奇ラフ  作者: 蟹谷梅次
空想怪奇ラフ 爛れたタイムレター
18/100

第18話 追え! 3

 現像された写真を受け取ると、その写真をもとにして聞き込みを行うことにした。もしかしたら一連の何かに関係することかもしれない、ということを師匠さんが言ったからだ。聞き込むのは父さんと師匠さん。「探偵」と名乗っても変色のない容姿をしていたから。母さんと俺は師匠さんの助言によりママ友のネットワークを利用するということになった。よくわかんねぇけどママ友って情報網がやばいらしい。そういえば、昔おねしょをしたらマジで全く知らん奴らに学校でバカにされたことがあったっけ。あれママ友ネットワークの所為なのか。……ふざけやがって。


 なにはともあれ。聞き込みが始まる。


 聞き込み①:田村花子


「最近おかしな話聞かない?」

「おかしな話? たとえばどんな?」

「カルト宗教とか。ほら、変な紙が貼り付けられるっていう事件あったじゃない? それに関係するいろんな証拠をあつめて警察に突き出してやろうって魂胆よ」

「なるほど! でもごめんねぇ……私、あんまりそういう話聞かないかなぁ」


 聞き込み②:村上友里


「最近おかしな話聞かない?」

「聞かないわねぇ……」

「些細なことでもいいのよ」

「ゴミステーションが荒らされてるわ」

「それカラスとかだと思うわよ」


 聞き込み③:山本恵子


「最近おかしな話聞かない? 些細なことでも良いわよ。ゴミステーション荒らされたとかじゃなく」

「六月池の近くの山で赤ちゃんの泣き声が聞こえるわねぇ。オギャオギャってな感じで」

「通報しろ……!」


 聞き込み④:熊谷樹


「最近おかしな話聞かない?」

「うーん。そうねぇ。あっ」

「なにかあるの?」

「最近、萩野さん家に変な装束を纏った人たちが出入りしているのを見るわ! あれ多分カルト宗教よ! 新興宗教! 激ヤバのモロカルト!」

「よっしゃっ!」


 聞き込みの結果、萩野さん家に変なカルト宗教が出入りしているかもしれない、ということがわかった。たしかに進展たりえるかもしれないが、解決の糸口になりえるものかはわからない。いや……解決の糸口なのかもしれない。俺隼人がいねーとなんもやれねーよー。



 ◆



「或カン光」のカセットを鳩汰兄ちゃんに渡して、データを解析してもらったところ、メッセージが仕込まれているのを見つけた。「まくろさま まくろさま 聞いていましたら たすけてください まくろさま」という内容のメッセージだった。


「フムムム。まくろ様と……きた!」


 ゲームの中では「ゆいいつしん クロギ」というものが現れたが。もしかしたらこの「まくろ様」と「クロギ」というのは同一の存在なのだろうか。


「行ってみるか」


 ということで、暇そうにしていた従兄弟の一郎くんを連れてこのゲームに登場した場所を巡ってみることにした。


「聖地巡礼ってやつだ。メッカ巡礼とかエルサレム巡礼とか。そういうふうな」

「宗教を軽視するとあとが怖いよ」

「最初に行くのは何処だ?」

「うーん。『こうえん』ってあけるけれど、この公園もうないんだよね。調べたところ、いまはマンションがあるみたいだ。もともとブランコがあるだけの小さな物だったからね」


 とりあえずそれを見に行こうぜ、ということになる。そのマンションに行ってみると、5階建てのマンションが2つ建っていた。


「立派だなぁ」

「さて……」

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