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98.殺さず
レプリカ神器(呪物)を所有してる、海の王。
彼女が槍の切っ先を俺に向けてくる。
そして猛烈なスピードでツッコんできた。
俺はその動きを見切って回避する。
「ママ! はやいですぅうう!」
海の王は俺の居た場所を通り過ぎるも、すぐに旋回し、槍を振るってきた。
俺は左腕で槍の先を受けとめる。
ずん!
結構いい一撃放ってくるじゃねえか。
一般人相手なら、かすっただけで、腕が吹っ飛んでいただろうよ。
『なるほど。あのコブトリが使っていた神器には、魚類操作の能力がこめられていた』
サハギンを操っていた力のことだな。
使えば、魚類を操り、そして通常の何倍もの力を発揮させられる。
『魚類操作を、海の王自らに使っているようだ』
なるほど、人魚も魚類だからな。
神器の力で自らを強化することができるらしい。
「おわりですぅ! ママはつよいんですうぅ! そんなママが能力で強くなったら、もう誰にも勝てないですよぉ」
まあ、殺してもいいなら、海の王を止めることはたやすい。
【無量大数】や【無間地獄】を使えばいいんだからな。
ただ……それをすると、この雑魚が悲しむ。
だから、殺すわけにはいかない。
……ま、そんなに難しくはなさそうだが。




