90.無酸素
俺は人魚マリンの里を助けに行くことになった。
ちっ。面倒だ。
「あのぅ、一つ質問なのですがぁ、あなたどうやってマリンちゃんの故郷にくるおつもりですぅ? 海底なんですがぁ」
人間は海中で息できないため、このままでは里に向かうことができない。
「問題ない」
俺はそのままザブザブと海の中に入っていく。
「ちょちょーい! 溺れちゃうですぅ!?」
「溺れないよ」
「溺れますって!!!!!」
「溺れないから」
マリンが俺の腕を引っ張ってくる。うっぜえな。
大丈夫だって言ってるのに。
俺はマリンの手を振り払い、潜っていく。
「ああおわたー!」
海の中に入った後も、普通に歩いて行く俺。
「ほえええ!? なんでえ!?」
「【無酸素】を使ってるからな」
【無酸素】。無酸素空間でも、普通に活動できるようになるという、【無】スキルの進化形だ。
これがあれば海の底はもちろん、空の上、宇宙空間でも問題なく活動できるようになる。
「は、はえー……やばぁ……もしかして、あなたってヤバい人ですぅ?」
「失礼だな魚類」
「失礼なのはそっちですぅ!」
ぷりぷり、と人魚がバカっぽくきれていた。
「マリンちゃんは人魚! 魚類と一緒にしないでくださいですぅ!」
「はいはい、すみませんね魚類」
「ちっがーう!」




