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88.アホ増える



 俺は一度エリスとシロのもとへいき、海岸へと戻ってきた。

 

「むぅううううううう」


 エリスは海岸で待つマリンを見て、頬を膨らませていた。


「んだよ……」

「むぅ!」

「しゃべれアホ」


 ぺん、とエリスの頭を軽くたたく。いつもだったらうれしそうにするのだが、今日はずっと不機嫌だった。

 しまった、たたかれて嫌だったか?


「すまんな、ペンペンたたいて」

「それはいいのですがっ!」


 いいんかい……。


「ダーリン、私の居ないところで、浮気! それが許せーん!」


 ……アホはアホでアホだった。うんまあ、たたかれて嫌じゃ無かったんだったらいいよ。


「こーんな可愛い女の子と浮気してっ! 美少女エルフと美少女フェンリルじゃ物足りないのですかっ!」

「自分で自分を美少女っていうのどうなの?」


 まあ事実だけどもさ。

 しかし、ははあ、なるほど。このアホは、人魚と俺が浮気してたって思ってる訳か。


 救助に向かってる俺を見て、こいつはハラハラしてたわけだ。大丈夫かなってよ。

 だというのに、俺が女と浮気していたから怒ってる……と。


 ったく。


「安心しろ。魚類とイチャイチャするようなマニアックな性癖は持ち合わせてねえ」

「魚類ってなんですぅう!? 名誉毀損ですぅう!」

「いや、魚類だろ。おまえ」


 下半身完全に魚類だし。

 こないだのサハギンと大差ない。


「なるほどっ。そうですよね。ダーリンは哺乳類好きですもんね!」

「まあ」

「おっぱい好きですもんね!」

「それ今言わなくてよくない!?」


 確かに哺乳類好きですけども。


「なーんだ安心しましたよ~」

「マリンちゃんは凄い傷ついたですぅ……」

「治癒魔法かけてあげる? あんまり得意じゃ無いけど」

「いらないですぅう! 心の傷は魔法じゃ治らないんですよぅ! あと得意じゃないならかけなくていいですぅ!」


  ……アホが増えてまたうるさくなっちまったよ……ったく……。

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