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84/301

84.また女



 コブトリ野郎の処遇を街の連中に任せ、俺たちはすぐに出発した。

 馬車は街を出て海沿いを走っていく。


「でねでね! ダーリンがまた活躍したの!」

「わぁ! すごーい!」


 フェンリルのシロ、およびアホエリスが、御者台に座ってる。

 エリスは俺の活躍を、誇張表現ありありでかたってやがる。


 俺は荷台でゴロンと横になりながら、女どもの話を聞き流していた。


「ダーリンってばいつものビリビリ銃でサハギンをずごんばごん! て打ち抜いてさ! 勇者も一蹴しちゃった! もー! かっこよ!」

「かっこよー! おにいちゃん、かっこよー!」


 はー、やれやれうるせえ連中だ……。


「それでね、ダーリンの凄いところはね、すごいってことを周りに全然ひけらかさないの! 渋い! かっこいい!」

「かっこいー!」


 うるせえ女どもだ……ったく……。

 

「ダーリンはもっとたくさんの人に感謝されたり、すごいすごーい! って言われるべきだと、シロも思うよね~?」

「うん! おもう! しろもおもう!」


 はーうっさいうっさい。


「良いんだよ。別に感謝されたくてやってることじゃねえんだから」


 人助けは別に、まあ、あれだ。好きでやってることじゃない。仕方なくなんだよ。


「ダーリンのツンデレ♡」

「うぜえ。口を閉じろ」

「私の口をおれのくちびるで塞いでやろうか、って意味ですかー!?」


 ……やかましいぞったく。

 元々一人で旅していたのに、気づけば女が2人もいる。(ちーちゃんも含めれば2+1だが)。


 女が増えるとそれだけうるさくなることが証明された。


「これ以上、女は増やさないぞ……絶対」


 と、そのときだった。


「た、助けてですぅ~~~~~~~~~~~~~!」


 ……どこからか、女性の悲鳴が聞こえてきたのだった。

 あ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~! もう!


「ダーリン、出ます!」

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