74.フラグ
エリスと合流して、俺は北西へと向かうことにした。
竜車にて。
俺の隣では、エリスが終始ニコニコしてやがった。
「んだよ」
「ダーリンがまた人助けをしてたって~♡ 私はうれしいのですよぅ!」
「俺が人助けして、何がうれしいんだよ」
「んふ~♡ 正確には、ダーリンがいい人ってこと、たっくさんの人に知ってもらえるのが!」
はいはいまたそれね。
「別に俺は良いやつじゃねえ。今回だって、俺は別に、レアな呪物が欲しかっただけだし」
触れた相手の時間を奪い、奪った時間を他者に分け与える。
すさまじい力を俺は手に入れた。
「でもでも、呪物の詳細って、村に着いた後に知ったんだよね?」
「…………」
アホのくせに鋭いやつめ。
「んふふふ~♡ ダーリンはツンデレ~♡」
「勝手に言ってろアホ」
「はーい! じゃあ私はダーリンが強くて優しくてかっこいい人だってこと、たくさんの人に言って回ろうかなー」
「やめろアホ」
ただでさえこっちは、孤高の金獅子、そしてフェンリルという、2大目立つ存在を抱えてしまってるんだ。
その目立つやつが目立つ行為をしたら、もっと目立っちまうだろうが。ったく……。
「これ以上の厄介事はごめんなんだよ」
「…………」
「にまにま笑いやめろ」
「ダーリンはおかしなこと言いますな。自分から厄介事に首ツッコんでいるのに」
うるせえやい。
ともあれ、だ。
「次の街では騒ぎを起こさないようにするぞ。おまえも目立たない行動を心がけろよ」
「あいあいさー。大丈夫、騒ぎは起こしませんよ。絶対、100%」




