表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

71/289

71.勇者の悪行



 村長、そして村人達全員の呪いを解除した。

 改めてだが、【無】の力はすげえな。ほぼノーリスクで、どんなもんも無かったことにできるからな。


「旅人様……どうもありがとうございました。本当に、助かりました」


 村長が俺に頭を深々と下げてくる。ちっ……。


「頭なんて下げてほしくて、やったんじゃねえ」

「では……お金が目的ですか?」

「こんな貧乏そうな村から金なんて取れるかよ」

「で、ではどうすれば……? あなたには大変お世話になりました。なにかお礼をさせてくださいまし」


 つっても別に、自己満足で助けただけだしな。

 お礼が欲しいとは思わん。


『おまえ様よ。呪詛の気配がまだ消えていないぞ』


 ……なんだと?


『おそらく村人たちに呪いをばらまいていた呪物が、この近くにある。村長の家から、その気配を強く感じるな』


 なるほど。呪物に一番近い場所にいるから、村長のやつは、一番被害が酷かったのか。


「おい村長。おまえの家になんか、古い道具みたいなものないか?」

「は、はいっ。あります……けど……」


 何で知ってるんだおまえみたいな顔をされた。説明はめんどくさいからしない。


「よし。それをよこせ」

「は、はい! どうぞっ!」


 俺が命の恩人だからか、素直に村長宅へと案内してくれた。

 村長宅の神棚には、1つの木箱が置いてあった。


『これが呪物だな。元々は封印がされていたみたいだが、外的要因によって封印が解かれ、呪いが外に拡散されたんだろう』


 外的要因?

 呪いの封印ってそんな簡単に外から壊せるものか?


『無理だな。おそらく……まあ、強い力を使うものが壊したのだろう。それこそ……勇者とかな』


 ……ほんと、勇者ってカスしかいねえんだな。


「前にここに、勇者とかこなかったか?」

「は、はい。来ました。この村は呪われてる、おれが呪いを解いてやるって……」


「そいつの名前は?」

「えと……たしか、キソガワ様とおっしゃってました」


 ……木曽川。あのクソ野郎。こんなとこにまで来ていたのか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ