69.それはツンデレ
69.
魔物に襲われてるガキを助けた。
俺はその場から立ち去ろうとする。
「ま、待って……げほっ! ごほっ!」
ガキが口から吐血していた。怪我でもしたのか?
俺は急いで【無傷】を発動させる。
『考える前に無傷で治療か。本当に良いやつだなおまえ様は』
うるせえ。
だが、ガキに無傷を付与しても、げほごほっ! と血を吐き出すばかりだ。
チクショウ、どうなってやがる?
鑑定持ちのエリスが来るのを待つか? 嫌その間に死んじまったら元も子もない。
『おまえ様よ。こやつは呪いにかかっているようだ』
なるほど。どうりで傷をなかったことにする力が通じないはずだ。
俺は【無害】を付与。すると……。
「あ、あれ? 胸が苦しいの、なくなった……?」
妖刀の言うとおり、呪いに体を冒されていたようだ。
ほっ……。
「すごい……お兄ちゃんすごい! 村の大人たちでも治せなかった病気、なおしちゃった!」
ああ?
病気だぁ?
病気だと思ってるのかこいつ。
「お兄ちゃん! 皆を助けてっ!」
「あ? 皆ってどういうことだ?」
「村のみんな、わたしと同じ病気で、苦しんでるのっ!」
『どうやら伝染するタイプの呪いが、この少女の村ではやっているようだな。して、どうすうる?』
はっ!
どうするだ……? そんなの答えは決まってるだろ。
このガキを助ける義理なんて俺にはないんだからな。
「連れてけ」
『くくく! どうしてだあ?』
あ?
それは……あれだ。そら……あれだ。
呪いを広めたのが勇者・木曽川かもしれないからな!
『苦しい言い訳だな……だが、嫌いじゃないぞ、おまえのお人好しなとこ』




