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スキル【無】の俺が世界最強 スキル無しと馬鹿にされた俺、実は無限に進化するSSS級スキル所持者でした【5月1日発売】  作者: 茨木野


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309/312

309.

 深い森の中を進む。

 湿った土の匂いと、鬱蒼と茂る木々の葉擦れの音が周囲を包んでいた。


「あんたが強いのはまぁわかった。けど、あの宝石獣を倒せるくらい強いわけ?」


 エリンが不満げに頬を膨らませ、疑いの眼差しを向けてくる。

 手合わせの際に俺が手加減をしたせいで、このエルフの少女は俺の異次元のパワーを全く理解していないらしい。


「あにきは強いんだぞ!」


 足元を歩いていたぷちが、プンプンと短い腕を振り回して怒った。

 ぽっちゃりとした体を揺らし、短い尻尾をパタパタと激しく振っている。


「どうだか」


 エリンは鼻で笑い、ツンとそっぽを向いた。

 その直後だった。


 ガサガサッ!


 草むらが大きく揺れ、獣の生臭い息遣いと共に、普通に強そうな四つ足の魔物が飛び出してきた。


「ひっ!?」


 鋭い牙を剥き出しにして襲いかかってくる魔物に、エリンが悲鳴を上げてのけぞる。

 だが、魔物の動きは空中でびたぁ! と不自然に停止した。


「えっ? なんで?」


 魔物は俺から放たれる圧倒的な覇気にあてられ、ガタガタと震えながら地面に平伏していた。

 エリンは目を丸くし、ポカンと口を開けている。


『なんてことだ。このプレッシャーは尋常ではないぞ』

「って! ええええええっ!?」


 エリンが突如、素っ頓狂な悲鳴を上げてガックリと膝から崩れ落ちた。

 信じられないものを見るような目で、俺の腰元を指差している。


「ぶ、武器が喋ってる!?」

「お前、頼むから急に喋るなよ、妖刀」


 俺はため息をつき、腰に差した相棒を軽く叩いた。


『ははは。いいではないか。面白いし』

「ちっとも面白くねえよ」


 妖刀が柄を震わせて愉快そうに笑う。


『我は面白い玩具が大好きなのだよ』

「だれが玩具だ!」


 どうやらこの妖刀にとって、いちいち大げさなリアクションを取るエリンは、格好のからかい甲斐のある玩具らしい。

 エリンは涙目で地面をドタバタと叩き、コミカルに抗議の声を上げるのだった。

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※2/25(水)


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