299.判断が早い
俺はプチとともに、エルフの里を目指すことにした。
プチが後ろから、ボテボテと近付いてくる。
こいつ、子どものドラゴンのわりに、図体がデカい。
なにせ身長が人間の子どもくらいあるのだ。
これで、子ども(生まれて間もないらしい)。
大人の白輝聖金竜は、いったいどんなデカさになるんだろうな。
「あにき待ってよー!」
ドシンッ!
「ぐっ!?」
いきなり背中に衝撃が走る。
プチが俺の背中に飛びつき、全体重をかけてのしかかってきたのだ。
重い。シンプルに質量が重い。
それに鱗が硬いから、ゴツゴツしてて地味に痛い。
「重いぞお前……」
「だめだよっ! エルフはほんとにおっかないんだっ。あにきがいくら強くても、エルフの魔法で消し炭にされちゃうよっ!」
エルフに酷い目に遭わされたことがあるのか。
あるいは、エルフの魔法を目の当たりにしたことがあるからか。
プチは、相当、エルフを警戒しているようだった。
体を震わせ、俺の服をギュッと掴んで離そうとしない。
ふん。
「のけ」
「あーん……」
俺はプチの首根っこを片腕で掴み、ひょいっと引き剥がして前に投げる。
パタパタ……と必死に翼を羽ばたかせて、プチは着地した。
「あにきー、確かにあにきはー腕力も凄いし、マジ強いけど、ほんとあいつらヤバいんだってー!」
「問題ない」
「問題ありありだよー! あにきが怪我したら……おいら……おいら……わーん!」
プチがその場に座り込み、両手で顔を覆って泣き出した。
地面を尻尾でバンバン叩きながら駄々をこねる。
やかましい奴だ。
でもまあ、俺を心配してくれていることだけは伝わる。
「大丈夫だ」
「ぐす……じゃあ、行くのやめてくれる?」
プチが涙目で、期待を込めて見上げてくる。
「もう里に着いた」
「は?」
プチがキョトンとする。
俺は視線を前方の森へと向けた。
「敵に感づかれたようだぞ、俺らの接近に」
「は……!?」
ビリビリと肌を刺すような殺気。
俺たちの周囲を、無数の気配が包囲していた。
さて……何事もなく里に入れるかな。
【おしらせ】
※1/9(金)
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