273.安寧
……島内と上松が、戦いを望んでいないことを、無一郎に告げる。
「いや……そう言ってもだな……」
まあ、こいつとしては、強い異能者を一人でも多く、公安にスカウトしたいんだろう。
なにせ、怪異を倒せる人間が、現状いないらしいからな。
島内は、強い結界術を使う。上松は言わずもがな。
公安にとっては、そんな二人の異能者を手放すことを是とはできないんだろう。
「やる気無いやつを、組織に入れても足手まといにしかならないと、俺は思うんだが」
「…………」
「それに、公安は一般人の味方じゃあなかったのか? 戦いたくない一般人を戦いに巻き込むのは……」
「わかった、わかったよ」
はぁ……と無一郎が大きくため息をつく。
「とりあえず、魔女さまに報告はする。けど……本人達が戦いたいと思ってない旨は、ちゃんと付け加えておくよ」
よし……これでまあ大丈夫だろう。
これで島内&上松が、怪異との戦いにかり出されることはない。
「逆に守ってやれよ。上松たちをさ。そうすりゃ……ま、少しくらい見返りがあるんじゃあねえか? 特に、島内からはよ」
あいつの家には倉といって、異世界の魔道具をたんまり保管する場所が合った。
島内に協力的になれば、多分その倉をかしてくれるのではないだろうか。
「俺から島内に話しはしてやるよ」
「すまない、頼むよ」
はーあ、めんどくさ。ほんとめんどくせえなぁ……ったく。
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