242.格付け
零美と無一郎のせいで、めちゃくちゃ注目を浴びることになっちまったよ……。
零美は、氷結というあだ名もちの、孤高なる美女的存在。
そんな存在が、俺にズッとひっついてくるのだ。目立つ。
一方無一郎は、白髪に白い目で、しかもイケメンだ。
細身だし、意外と鍛えてる。
美女、そしてイケメンに挟まれる……普通の俺。
しかも無一郎は零美にほれており、零美は俺に惚れるという。
ザ・三角関係。
転校生、そして孤高なる存在との、三角関係。
で、俺はと言うと一切そいつらに興味を示さない。
するとどうなるか……。
「おい一年坊主。聞いてるのかぁ……?」
……俺の目の前には、もう立派なヤンキーがいた。
絶滅したと思っていた。
柄の悪そうな上級生に、俺は無理矢理、体育館裏へと連れてこられたのである。
やれやれ。
まあ、こいつについて行く義理なんてなかった。報復なんて怖くないし。
じゃあ、なんでヤンキーに呼び出されたかって?
「悪いが、お遊びに付き合ってる暇はねえんだわ」
「調子に乗るなよガキぃいい!」
ヤンキーが殴りかかってくる。
だが……圧倒的に、遅い。魔物と比べたら、ハエが止まってるかのようなパンチだ。
俺はやつの拳を……避けない。
棒立ち。頭突きで受ける。
こっちから攻撃したら死んじまうからな……。
んで、受けた相手はというと……。
「ぎゃあああ! 腕がぁああああああああああああ!」
ごきぃ! といい音したもんな。普通に骨は折れてるだろう。
俺は倒れてるヤンキーを見下ろす。
「俺に絡んでこないでくれます? 次は……拳使いますよ?」
ぎゅっ、と拳を握りしめて……。
壁に向かって、かるく……本当にかるくパンチする。
ドゴォオオオオオオオオオオオオオン!
校舎の壁に穴が空く。
「ひぎぃい!」
「次は当てる」
ヤンキー達が、その場でアワ吹いて倒れた。
ま、これだけやられりゃな。
「【無傷】っと」
全員のケガ、そして、壊れた校舎をスキルで修復した。
やれやれ。
『格付けを行っていたわけだな』
と、妖刀。
まあ、そんなとこだ。こんだけ脅しておけば、襲っては来ないだろう。
強い相手に無謀に立ち向かっていくのは、バカのやることだ。
『ふ……甘いな。おまえさまは屑の思考を理解していない』
あ……?
どういうことだ……?
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