230.変化
桜鬼を討伐し、【無害】で呪いを解いた。
無一郎は本部に連絡。すぐに警察官たちが来て、桜にされていた人たちを保護してくれた。
それを見届け、俺はパトカーに戻る。
どかっ、と座る。
「ふぅ……」
『おつかれだな』
「こんなの、疲れたうちにはいらねーよ」
あんな敵、向こうじゃごまんといたしな。
それに理外の存在となってる俺は、あの程度じゃダメージを負わない。
俺を傷つけられるのは勇者の聖武具だ。
その勇者も、もうこの世界にはいないのだ。
俺は負け無しの存在と言える。
だからこれはまあ、討伐っていうより、作業に近いのだ。
『調子に乗ると足を掬われるぞ』
「別に調子になんてのってねー。事実だろうが」
『ま、そうだな』
少しすると、無一郎がパトカーに戻ってくる。
そして……がさっ、と俺に何かを突き出してきた。
「なんだこれ?」
「飯だ。おまえさっきから何も食べてなかったろう?」
……ほぉ。
確かに無一郎の作業が一段落するまで、ずっと待っていた。
その間にまあ、腹も減っていた。
こいつはそれを察して飯を買ってきてくれたのだ。
……しかし。
「どーゆー風の吹き回しだよ。俺のこと嫌いじゃあなかったのか?」
「別に、好きではないだけだ」
なんかこいつの心境の変化でもあったんだろうか。
ま、どーでもいいや。
「ま、ありがたーく、受け取っとくよ」
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