206.飛行機
開田のじーさんが車を用意してくれた……。
と、思ったのだが……。
「おい、こいつはいったいどういうことだ……?」
俺が居るのは、羽田空港だ。
そう、空港だ。
最初、俺はリムジンに乗ったはずだった。これで長野いくのかとおもっていた。
が!
「なんで……飛行機なんだよ!?」
「プライベートジェットだよ」
「プライベートジェットだよ!?」
しかもちゃっかり隣には零美が座ってやがった!
なんでだよ!
「? 嫁なんだから当然だろう?」
「おまえは嫁じゃあない、ストーカーだ!」
「似たようなものだろう?」
「似てねえよ!」
……はぁ。
このじーさんにして、この孫あり……かよ。ったく。
「つーか、長野に飛行機でいけるもんなのか? 山のなかだろ、あそこ」
「おや、松本市に空港があることをご存知ないのかい?」
そうなんだ……。知らなかった……。
山の中にそんなもんがあるとは思えなかったが。
「おじいさまがプライベートジェットを用意し、また向こうにも話を付けてある。飛んでいった方が早いだろう?」
「まあそりゃそうだな」
一応【無音】でステルス状態にして、魔力強化して向かうのもある。
が、まあ疲れるからな。乗り物が利用できるならしたい。
……まあ、いいか。使えるものは利用する。
「出せ」
「了解だっ。しゅっぱーつ!」
……やれやれだ。




