表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

197/289

197.方針



 ……さて。

 俺は自分の家に戻ってきたわけだが……。


「どうするかな、これから」


 異世界と現実とをつなげるアイテムを作り、エリスたちを迎えに行く。

 それが俺の目標である。


『あの女神が使っていた、世界扉ワールド・ドアを作るのが一番だろうな』


 大賢者ジョン・スミスの記憶のなかに、【世界扉ワールド・ドア】はなかった。

 創造の力を持つ、いにしえの大賢者すら知らない未知の魔道具。


「手がかりもなしに、作れるか、おまえ?」

『そうだな。難しいかも知れない』


 妖刀は無理、とは言わなかった。それだけで、少し救われた気がする。


『二つ、絶対に手に入れる必要がある。世界扉ワールド・ドアの製法、そして……素材だな』

「かっこつけるなよ。どんなアイテムもその二つは作るときに必要だろうが」


 どっちも、この現実世界で探し出すのは難しい。

 この世界には神秘ってやつがほとんどないからな。


『そうか? 感じるぞ。あっちの世界の気配を』

「……どういうことだ?」


『おそらく、おぬしが一般人だった頃では、感じられなかった存在が、この世界には隠れてるのだろう』

「……小難しい言い方はいい。何が言いたい?」


『おそらくこちらの世界にも、魔物や、それに近いものはいる』

「! そうなのか……」


『ああ』


 ……妖刀が嘘を言うとは思えん。

 ということは、マジで魔物とか、異世界で見たことがこっちにある。


 だとしたら……。


「向こうの魔物がこっち来た、手段がどっかにあるかもしれない……!」


 それが世界扉ワールド・ドアへのヒントになるかもしれない。


『我は魔物の魂を感知できる。魔物は人里にはいないな。山の……奥の方から感じる』

「山……高尾山とかそういうとこか?」


『場所を言われてもわからんが、とにかく人の少ない場所だろうな』


 となると……。


「長野、とか?」


 あそこは確か周りが全部山……というか、山の合間に街があるような場所だ。


「行ってみるか、長野県」

『路銀はあるのか?』


「…………」


 ない。


『学び舎に通わせて貰っていたのだろう? 金はどうしていたのだ?』

「親父の妹さんから援助して貰っていたんだよ」


『ふむ……ではそいつから金を借りるところからだな』

「なら……結局長野にいかねえと。親父の実家がそっちなんだよ」


『おお、なら都合が良いではないか。会いに行きたいと言えば、金くらいだしてくれるのではないか?』


 ということで、次の目的地が決まったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ