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184.厄介な相手



 木曽川。Sランク勇者。

 人外のバケモノ、ミサカさんと同ランクだという。


 全身聖武具女と同じ等級なのだ、おそらくは、こいつもバケモノじみた力を持つ。


 が。


「関係ねえ!」


 ちゃきっ、と俺は必中付与の幸運銃トリガー・ハッピーを構える。

 レールガンで銃を強化。そして……。


「死ね! 【無量大数弾】!」


 一発、銃弾を放った。だがそれが無数に分裂する。

 数え切れない銃弾の雨となって、木曽川に降り注ぐ。


 ズガッ!

 ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!


 俺のスキル、【無】。無の付くスキルなら何でもできる。

 無量大数の力を付与した結果、無限に増殖し続ける銃弾となったのだ。


「やったでしょうかっ?」


 エリスがフラグを立ててくる。

 魂を感知できる俺は、木曽川が生きてることを知ってる。


「きかないねえぇ~……松代まつしろぉ……」


 無傷か。くそ。

 さすがはSランク。ただ銃弾ぶっ放しただけじゃ死なねえか。


「こっちからいくぜぇ」


 だんっ! とやつが地面を蹴ってこちらに近づいてくる。

 俺は、今度は幸運銃トリガー・ハッピーがぶっ壊れるほどの力を込めて、全力のレールガンを放つ。


「馬鹿がぁ! 無駄ぁ!」


 銃弾がやつの前で止まった。

 止まる……?


「おらぶっとべ!」


 木曽川が俺の腹めがけて、パンチを放ってくる。

 魔力で強化されていない、ただのパンチ。だが……


「ぐぁ!」


 凄まじい衝撃が俺の体に走る。

 体が【く】の字に折れ曲がって、背後へと吹っ飛んでいく。


 大聖堂の壁に激突。


「がはっ!」

「ダーリン! 業火球フレイム・ストライク!」


 エリスが魔法を放つ。

 だがエリスの業火球フレイム・ストライクもやつの目の前で止まる。


「よええよええよえええ!」


 そのまま向きを変えて、業火球フレイム・ストライクがエリスに襲う。

 ずがんっ!


 俺は壁に突き刺さった状態でレールガンをぶっ放した。

 

「はあ……はあ……」

「へえ、あれで生きてられるたぁ……やるじゃあねえか松代まつしろぉ」


【無傷】で傷を無かったことにした。 

 

 しかしやつに攻撃はきかない。どんな能力を使ってやがる?


「余裕じゃあねえか松代まつしろぉ!」


 一瞬で木曽川のやつが俺の目の前へとやってくる。

 そしてまたもパンチ。


 雑なパンチだ。避けられるはずなのだ。

 ……妖刀を抜いて俺は攻撃する。


 だが妖刀の攻撃が、当たらない。


「ぎゃはっはあ! 無駄ぁ……!」


 顔面にパンチを食らう。

 俺は大聖堂の壁を突き破って、外へと吹っ飛んだ。


「ダーリン!?」


 そのまま地面にたたきつけられる。

 くっそ……。なんだ。


『おまえ様よ。やつは、どうやら力の【向き】を操ってるようだぞ』

「は……? 力の向き……?」


 木曽川の攻撃を受けた妖刀が言う。


『うむ。運動には向きがあるだろう。それをやつは自在に操れるようだ』


 ……なるほど。

 斬撃を放っても、その軌道をやつはずらせる。

 銃弾だとしても同じ。


「厄介な相手だ……」

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