183.因縁
木曽川とクソ女神が、大聖堂で俺を待ち構えていた。
「よぉ、カス。ひっさしぶりじゃあねえか」
木曽川。
背は高く、いかにもDQNっぽい見た目をしてる。
今のやつは白い鎧を身につけているだけで、武器らしいものは見当たらない。
神坂さん同様に、なにか特別な聖武具を持ってるはずだが……。
「久しぶりだな。生きてたのか」
「お互いになぁ……しかしFランの屑が反逆者とはねえ。いったいどんなマジック使ったんだぁ?」
「努力と根性」
「ハッ! そうかい。じゃあ今日おれが、てめえの全てを蹂躙してやんよ」
その隣にたつ女が、にまにま笑ってやがる。……クソ女神。
俺を奈落に突き落とした元凶。
「あらなぁに? わたくしに見惚れたの?」
「まさかだろ。会いたかったぜ」
「会いたかった? どうして?」
きょとんとした顔で俺を見ている、クソ女神。
……おい。まさか。
「俺を忘れたのか?」
「? 忘れるもなにも……あなただぁれ?」
……ああ、そうか。
こいつにとって俺は路傍の石でしかなかったのか……。
はっ、そうかい。
「覚えてないならそれでいい。俺は松代 才賀。そこのクソと、てめえを葬り去る反逆者の名前だ」
俺は幸運銃を取り出す。
エリスも戦闘態勢に入っている。
「キソガワ。おまえに任せる。反逆者をしまつなさい」
「ああ、任せなぁ……ハニー」
なんだこいつら、そういう関係なのか……? 気持ち悪い。
仲良く葬り去ってやるぜ。




