181.覚悟
エリスとともにサ=ドゥを目指す。
草原をバイクが走る。
大怪獣の大暴れのおかげで、俺は驚くほどに順調に、目的地を目指せている。
「…………」
エリスがぎゅっ、と俺の腰を抱きしめる。
こいつも理解してるのだろう。
順調にことが進むということは、俺の旅の終わりが近いということ。
エリスにはきちんと言った。神を倒し、復讐を遂げた後、おまえたちをどうするかはちゃんと決めると。
俺の中にはエリス、シロ、マリンを捨てるという選択肢はない。
俺の目の前にある二択は、元の世界に帰るか、とどまるか。その二つきりしかない。
前者は、確実性がない。
女神を殺したからといって、元の世界に帰れる保証はどこにもない。
となると後者か?
だが、そっちだと、俺はこの世界で神を殺した大犯罪者となってしまう。
……エリスたちに、迷惑かけちまうことになる。
「ダーリン」
エリスが優しく微笑みかけてくる。
「大丈夫だよ、ダーリン。どんなことになっても、私は、あなたについて行く」
「…………エリス」
「火の中でも、地獄の底でも、ダーリンさえいれば私はそれでいいの」
元の世界に帰るとしても、ここに残ったとしても……か。
「ありがとう」
何にせよ、神のクソやろうを倒す必要がある。
話はそっからだ。
「ありがとな、エリス」
サ=ドゥが、見えてきた。
最後の戦いの場が、目前まできた。
「これで、憂いなく、あいつらをぶっ殺せる」
サ=ドゥの城門は開かれている。
まるで、俺を誘い込んでいるかのようだ。
上等だ、木曽川そして、女神。
おまえら、ここにいるんだろう?
てめえをぶっ倒して、ケリを付けてやるよ。




