180.終わらせる
《松代Side》
神坂さんが遠くで大怪獣バトルをやっている、とマリンから報告を受けた。
俺は大賢者ジョン・スミスが作ったバイクにまたがって、サ=ドゥを目指す。
「呪具師……」
妖刀のやつが言っていた。
敵には、呪具師とよばれる、呪いの道具を作る存在がいると。
そいつが今神坂さんと戦っているのだろう。
「妖刀、相手は神坂さんにしてもらうぞ」
妖刀と呪具師は浅からぬ因縁があるといっていた。
決着は自分で付けたかっただろう。だが……俺たちは今二手に分かれてる状態だ。
こっから神坂さんのところに行ってる時間は無い。
怪獣達が暴れてくれてるおかげで、敵の注意が完全に向こうに行ってる。
その間に、一気に敵陣に乗り込み、木曽川、そして女神のクソ野郎を倒す。
『こっちのことは気にするな、おまえ様はおまえ様のすべきことをやってくれ』
妖刀の表情はうかがえない。
何を考えてるのかはわからない。だが……声の感じから、そこまで、呪具師を相手できないことに対して、何か特別に強い感情を抱いているようには感じない。
「悪いな」
『良い』
俺はエンジンを吹かせ、一気にサ=ドゥへと向かう。
全部を終わらせるために。




