159.叡智の書
ドスケベエルフのやつ……とんでもなかった。
遺憾なくドスケベっぷりを発揮しやがった……ったく……。
「はぁ~……♡ まんぞくです♡ 満足していただけました~?」
ベッドの上で、全裸エルフが尋ねてきやがった。
ちっ……。
「別に」
確かにめちゃくちゃ気持ちよかった。
こいついつの間に、というか、どこでこんな技を覚えてきやがったんだ……。
「むっふっふ~♡ ダーリンが喜んでもらえるようにって、日々勉強してるんですよぅ」
「……勉強て」
どこで勉強してきてるのやら……。
は! ま、まさか……娼館とか?
い、いかんぞ。
それは、いかん。
こいつ美人だから(頭はあれだが)、娼館の主にスカウトされたら……?
ただでさえ、娼館の連中は、美女を欲してるんだ。
俺の大事なエリスが取られるのは、嫌だ。
「エリス」
「はい♡」
「その……勉強ってどこで?」
「娼館じゃないですよ?」
あ、そうなんだ……良かった……。
「ダーリンやさしいなぁ~♡ エリスが、娼館のスカウトマンにひっかかって、働かされるんじゃ無いかって心配してくれたんですね~!」
「……ちっ」
こいつに否定しても、どうせツンデレ扱いされるんだろうな。
「それより、どこで仕入れたんだよ」
「ジョン・スミスの本棚にありました! 叡智の書が!」
「はあ……叡智の書?」
「はい! 中には、男女のえっちな行為がかかれた、絵や、動く絵がかかれてました!」
叡智の書ってエッチ本のことじゃねえか!
あ、あの大賢者……エロ本隠してやがったのか……。




