146.ミサカさん怖い
神坂さんが俺の隣でニコニコしてる。
……今まではかわいいなぁって思ってたけど、今はちょっと……ね。
「どうしたの?」
「いやなんでも」
俺たちは甲板にいる。
欄干に手を置いて並んで立っている。
すすす、と俺は神坂さんから距離取っている。
ばし! とたたかれて、床を突き破って海に落ちたことを思い出す。
彼女は怪力の持ち主だ。しかも、ちょっと思想がヤバい……。
「どうしたの~?」
すすすす、と神坂さんが近づいてきた!
ぴったりくっつく。ひぃ。
「ミサカさん近いっす……」
「え!? そ、そうかなぁ? えへへ、松代君けっこー筋肉あるねっ! パワーどっちが上かなぁ? ね、試してみる?」
「みません!」
この人は全身が聖武具なのだ。
全身凶器の、ヤバい人なのだ。お近づきにはなりたくない……心強い味方ではあるんだが。
すすすす、と距離を取る。
すすすす、と詰められる。ひぃ。
「ダーリン……」
「エリス!」
俺のヒロイン! エリスよ!
俺は彼女に近づく、そして、ぎゅっと抱きしめる。
「ふぁ~♡」
「悪いね神坂さん! 俺、エリスがいるもんで! 浮気はNGだもんで! 適切な距離を保ってくれよな!」
「だーりんぅ~……♡」
これだけ見せつければ、神坂さんも俺のことあきらめてくれるよね……?
「なるほど……わかったよ!」
「そうか、わかってくれたか」
「今は好きってじゃないってことだね! じゃ、ガンガンアタックしていくね!」
「わかってない……!!!!!!!」
アタックって、アタック(物理)って意味じゃないよね?
嫌だもぉ怖い……。
【★大切なお知らせ】
好評につき、連載版をスタートしました!
タイトル変更してます!
『 追放され闇落ちする悪役貴族に転生したので、チートスキル【努力】で最強を目指す〜ゲーム中盤で退場したくないので必死に努力した結果、主人公より強くなったうえ原作ヒロイン達からめちゃくちゃ溺愛されてる』
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