144.ヤバ女
神坂さんが仲間になった。
「言っときますけどね、仲間にしただけですからね!」
船上にて。
エリスが神坂さんに、びしっと指を向ける。
「ダーリンの女にしたわけじゃないですから!」
「わ、わかってるもん!」
「どーだかっ。なし崩し的に、付き合おうとかしてたんじゃあないですかぁ?」
「しししし、してないしっ!」
あほエルフと神坂さんがバカみたいな話題で盛り上がっていた。
神坂さんが俺と付き合う?
ないない。
「これで四人目ですかぁ~。ハーレムメンバーが着実にふえてますですぅ~」
雑魚もエリス同様に勘違いしてるようだ。
シロはというと……。
「しろ、かぞく、増える。たのしい! うれしい!」
「……そーかい」
シロもまた、神坂さんが自分らと同じく俺の女となったと思ってるようだった。
「やめてやれよ。神坂さんが困ってるだろ」
「え!?」
「えって……」
なんで神坂さんが驚いてるんだ……?
「いやその、別に困ってるってわけじゃないっていうか……その……」
「え?」
「な、ななな、なんでもないよ! もぉー! 恥ずかしい!」
ばし! と神坂さんが俺の背中をぶん殴る。
「おぎゃぁああああああああああああああああああ!」
俺は床に沈む。
沈むって言うか、落ちていく。
ものすごい勢いでたたかれたので、船底へと一直線に落ちていく!
「ああごめん松代君ぅううううううううううううううう!」
……ヤバい女が仲間になってしまったかもしれないなこりゃ……。




