130.人間爆弾
勇者予備軍と相対する、俺。
数で負けてるも、しかし、相手は現地人。
バグったステータスを持つ俺の体は、現地人じゃ傷つけることができない。
「大人しく投降しろ。そしたら……まあ命くらいは……」
と、そのときである。
一人の現地人が俺めがけてタックルしてきたのだ。
こんなのたいしたダメージにならない。
そう思っていたのだが……。
「ぎゃはっはあ! 女神様ばんざぁあああああああああああああああい!」
瞬間、そいつの額に禍々しいマークが浮かび上がる。
『逃げろ! 呪印だ!』
妖刀が叫ぶと同時に、俺は【無傷】を使用する。
ドガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!
……すさまじい爆発が至近距離で起きる。
しかも、だ。
「げほっ、くそっ……」
俺にダメージが入ったのだ。
つまり、この攻撃は勇者の武器、聖武具によるもの。
人体を爆弾に変える聖武具……ってところか……。
「クソ野郎が……! 無関係の連中をまきこみやがって……!」
ミンチになった現地人を見ていると、ふつふつと怒りがわいてくる。
『冷静になれ。おまえ様よ。窮地に立たされてるぞ』
「ああ……」
周りの現地人どもの額を見る。
その額には、すべて、呪印がほどこされていたのだ。
船の上。しかも数的不利。
1発でかなりの致命傷を与えるほどの爆弾が、こんなにたくさん目の前にいる状況。
「待ってろ」
俺は……海に飛び込みはしなかった。
「今、全員楽にしてやる」
現地人どもを、仕方なく、助けてやることにした。
現地人なんてどうでもいいって、考えてるクラスメイトのクソ野郎どもが、ムカつくから。
だから、こいつらを助けてやるんだよ。それだけだ。
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