122.おまゆう
122.
俺は黒犬商会を出て、商業ギルドへとやってきた。
「おらよ」
俺は廃人になった女鳥羽川をギルドの連中の前に放り投げる。
気絶してる黒犬の連中も添えておいた。
「あ、あのぉ……これはいったい……?」
「おまえがギルドのトップか?」
「は、はい……」
白髪交じりのおっさんが俺に話しかけてきた。
どうやらこいつがギルドマスターらしい。
「黒犬とそのトップをボコってきた。これでもう、こいつらがおまえらの商売の邪魔することはないだろうよ」
おおお! とギルドの連中が歓声を上げる。
ギルマスはぽかんとしていた。突然の出来事を受け止められていないのだろう。
だが黒犬の頭である女鳥羽川の顔を見て、これが現実なのだとようやく認識したようだ。
「ありがとうございます! なんとお礼を言っていいやら……」
俺が答える前に、エリスが前に出て、胸を張る。
「勘違いしないように! 別にダーリンは、あなたたちのためにやったんじゃありませんのでっ!」
エリスのアホが俺が言う前に、俺の言いたいことを言ってくれた。
やっとこいつも、俺のことがわかってきたようだ。
そうだ。別に俺は善意でやってるわけじゃねえ。
「お礼がしたいなら、速く船を出してくださいっ。それで十分ですのでっ」
「…………」
ぽかんとするギルマス。
やがて、バッ! と全員がまたしても、深々と頭を下げる。
「わかりました! すぐに出航の準備をします! みんな、急げ!」
ばっ、とギルメン達が散っていく。
くる、とエリスが俺を見て笑う。
「これで良かったですよね」
「ん……まあな」
「えへー♡ ダーリンと私はそーしそーあい~~♡ 言葉を使わずとも、お互いのことをよく理解してる、おしどりふーふー♡ あいたっ」
そうもしれんが、こいつに言われるのはしゃくだったので、額を小突いておいた。
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