119.勇者殺し
……俺は目覚める。
目の前には、クラスで見たことのあるやつが倒れていた。
「てめえは……確か、女鳥羽川だったか」
女鳥羽川。木曽川のぱしりの一人だ。
つまりまあ、敵だ。
こいつが俺に変な夢を見せていたのだろう。
「うぐう……くっそぉお……なんだ、なんなんだよおまえぇ……おれの聖武具は、相手を悪夢の迷宮に閉じ込める、最強の聖武具なんだぞぉ」
やつの手には1つのパイプが握られていた。
これがやつの聖武具か。
『どうやらそのパイプから発する煙を吸い込むことで、相手に悪夢を見せる効果があるようだぞ』
と妖刀が解説する。
おまえ、見てたなら助けろよ……。
『我が助けずとも、おぬしは自力で脱出できると信じていたぞ』
はいはい。
「うそだ……ありえない……聖武具を打ち破るなんて……なにもの……がっ!」
俺は左手で女鳥羽川の頭を鷲づかみにする。
「松代 才賀を忘れたのか、てめえ……」
「松代……松代!? そうか! おまえが【勇者殺し】だったのか!」
「勇者殺し……?」
「勇者軍の勇者を次々葬ってるやつがいるって噂が広がっていたんだよ」
ああ、なるほどな。
何人も勇者を葬っているんだ。そりゃ有名にもなるってもんだ。
勇者殺し、ね。気に入った。今日から俺は勇者殺しを自称することにしよう。
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