114.眠り
114.
倉庫に入る前に、マリンがスキルを使う。
「『眠りの歌』ですぅ~」
マリンが目を閉じて不思議な歌を歌う。
するとどさっ、と建物の中から何かが倒れる音が聞こえてきた。
「マリンちゃんのスキルですぅ。聞いた人間を眠らせますぅ」
便利なスキルもあったもんだな。よし。
「って、なんで寝てないです~?」
エリスとシロは眠っているが、俺は普通に起きていた。
エリス達を揺すり起こしながら言う。
「悪いな。俺は呪いとか、そういうの全部【無効化】できるんだよ」
俺に状態異常系の技は全部通じないのである。
「【無】スキルってとんでもないですぅ……。マリンちゃんこのスキル得意だったから、ちょーしょっくぅ~」
エリス達が起き上がる。
「とっても素敵な夢を見てました。ダーリンが優しかった!」
「ああ、そうかい」
「つまり、いつもどーりってこと?」
シロが尋ねると、エリスがとろけた笑みを浮かべながら言う。
「いつも以上に優しかったのです……♡ あんなダーリン見たことなかった……♡ 素敵……♡」
……ちっ。
んだよ。
夢の中の俺のほうがいいってか?
「あ、でも物足りなかったです。やっぱり実物じゃないと駄目ですねっ! 本物のダーリンが一番です!」
エリスが笑顔で俺に抱きついてくる。
ちっ。ダブスタめ。
「おにいちゃん、顔がわらってる?」
「……うるせえ」
まあ何はともあれ、これで雑魚は眠ってるだろうから。
今ので眠らなかった、そこそこの強さの雑魚をやっつけるか。
【★大切なお知らせ★】
新作
『虐げられてた片田舎の治癒師、自由気ままに生きる〜辺境の村で奴隷のようにこき使われてた私、助けた聖獣とともに村を出る。私が居なくなって大変お困りのようですが、知りません』
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