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プラネットコード(改訂版)  作者: 福乃 吹風
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63僕は罠、星は愕

 僕ら三人と波ちゃんのお友達を入れて合コンするはめになったけど、僕は既婚者だからパスと脱落し外に出て夜空を見上げていた。影神と連絡できるかと無線で呼びかけるも反応がなく、壊れてしまったんだろうか。早く莉耶に会いたいと星に願っていると星が動き出す。

 何かあるのかなとじっと見ていたら、気をつけろと星が言っていて何に気をつけろという意味なんだ。頭を悩ませていると隣に座る波ちゃんで、僕に飲み物を持って来てくれる。


「星好きなの?」

「うん。小さい頃からずっと星が好きで、晴れた日はだいたい星を観察してる」

「へえ。そうなんだ。うちは星に詳しくないけど、見ているだけで癒されるんだよね」

「僕も星を観ているだけで心が癒される。まあ僕の奥さんのほうが癒されるけどね。早くここから脱出して、莉耶に会いたいよ」


 飲み物を飲みながらそんなことを言っていたら、お酒が入っているわけでもなく視界がぐらっと揺れコップを落とす。波ちゃん、僕に何を入れたと顔を見たら波ちゃんはモノクロの仮面を被ってごめんねと袋を被され眠気に襲われた。


 昏斗助けてと星音が遠ざかる夢を見てはっと起き上がると潜水艦にあるベッドに固定されている。確か僕は波ちゃんと話している間に…そうだ。波ちゃんが持ってきた飲み物を飲んで、気を失った。

 早くなんとかしなくちゃと動いていたら、無理だよと波ちゃんがセリニ・ネアの軍服を着て登場したのだ。


「水神潤と昏斗の菊太に眠り薬を入れといたから追うことはできないようにした」

「なんで…セリニ・ネアは僕らの仲間なはずだ。こんなことするはずがない!」

「騙される方が悪い。そもそもセリニ・ネアは全て監視をするためにネオリオ社も新プラネットコード社も手に入れた。本当は莉耶と大鳳天満がうまくいっていれば良かったもののそうはならなかった。だから総司令官は違うプランを立てたの」 


 プランってなんだと考えていると、そういえば莉耶の出向と大鳳天満の入社の意味。僕が真実にたどり着こうとしていた時、波ちゃんは気づいたねという顔立ちだ。


「莉耶と大鳳天満の仲を深ませている間に、昏斗くんにはちょーとやってもらうお仕事があるの。今そこに向かっている途中」

「こんなことしても兄さんたちが黙っていない!」

「そうならないようにもう仕組ませてもらったよ。今頃はもう昏斗くんの兄にたちは呆れて仕事に集中してるんじゃないかな」


 何を言ってとネット記事を見せつけられ嘘であってほしいと願いたかった。その記事にはなんと浮気が発覚したという偽情報で僕と波ちゃんが手を繋いでホテルへと向かっている写真までも載せられている。

 僕はそんなことしていないと思っても、次見せられたのはホテルにいった証拠写真を見せつけられていた。


「こんなのすぐデタラメだって気づくはずだ!」

「デタラメにならないように自分から莉耶を傷つけて、しかも子供たちにも話している動画」


 ポチッと動画を見せられ僕が莉耶にちゃんと話してもう別れようと言い切っているし、しかも子供たちを傷つけるような言葉を発している。やった覚えがないのに、美汐のような力でやったとかじゃないよね。


「聞いてる時本当に堪えるの必死だったよ。行っても無駄だと思うしこれは壊させてもらったから逃げ場はない」


 波ちゃんのポケットから出て来たのは冥王星のペンダントでこんなあっさり壊せるものなのかと疑ってしまう。壊れた冥王星のペンダントをしまう波ちゃんで、バラさえあればエンヴィリオを出して脱出できるけど僕の持ち物は全て回収されている。

 鼻歌を歌う波ちゃんは僕が縛られているベッドに座って、連絡表を開きそこには海さんの名前があった。波ちゃんはわざと海さんに連絡をする。


「兄に?昏斗くん確保したよ。そっちは大丈夫?」

『平気だ。油断はするなよ、波。昏斗にバラを持たせたら厄介だからな』

「わかってますよーだ。兄にも星音の演技にやられないようにね。それじゃあまた後で」


 星音が海さんと一緒にいることは理解できたけど、波ちゃんの行動が読めないでいた。心たちはただ従っているだけだから白だとしても、波ちゃんと海さんは黒と判断すべきか。

 なんとかして桜庭課長に報告できないのかと思っても、波ちゃんがハンカチを僕の顔に当てその匂いに視野が真っ暗になった。



 おい、飼育員起きろと海さんの声が聞こえて、目を開けるとセリニ・ネアの軍服を着た海さんが目の前にいる。ここはと周囲を見る限りどこかの街なのは理解できた。


「海さん、どうして……」

「ったく。話は歩きながら話す」

「そう言えば星音と一緒じゃなかったんですか?」

「波と交代したからな。急ぐぞ。昴と友羽が巡回で近くまで来ている。早く立て」


 渋々立ち海さんに着いて行きながら、人の目をみるとほとんどの人が僕を睨んでいることがわかる。なんか痛いなと下を向きながら歩いているとやっと見つけたと背後から菊太の声がかかった。


「おい、海。昏斗を返せ。話が違うじゃねえかよ。なんでこうなっちまってんだって言ってんだよ!昏斗、こっちに帰って来い。俺が全て話してある。莉耶たちも昏斗を捜し回ってるから帰ろう」


 僕は菊太のほうへ行こうとしたら銃声が鳴り、菊太の心臓辺りに赤いのが広がっていきくうんと犬に戻る。


「菊太!」

「行かせねえよ。早く始末しておけば良かった」


 菊太と叫ぶも反応がなく海さんに腕を掴まれ菊太と遠ざかってしまう。離してくださいと言うも、僕の力より海さんの力が倍だから離すことも不可能だった。

 菊太を失うだなんて絶対に嫌だ。星の精霊ニュンフェお願いだ。菊太を、菊太をどうか助けてと願うしかない。


 到着した場所はなんと海さんの実家らしくて、セリニ・ネアの社員たちがお疲れ様ですと敬礼をしていた。こんなことが起きていなかったら、普通に綺麗な場所ですねと言いたいぐらい海を眺められるお家だ。

 一室に入らせてもらうとモニター室らしくて海王星ポセイゼンや他のプラネットの監視カメラの映像が流れている。


「総司令官の命令でやはり飼育員はセリニ・ネアに戻すことが決定した」

「僕を確保するためにわざとネオリオ社に出向させたの?」

「まあそうなるな。俺的にはもう少しネオリオ社にいさせてもいいんじゃないかって話してみたが、総司令官は早く会いたい奴がいる。それがアゲンロスだ」

「堕天使アゲンロスを使って何をする気だ?こんなことしても昏有兄さんが……」

 

 いきなりフラッシュバックのように記憶が蘇って、立っていられなく倒れそうなところ海さんが助けてくれた。

 前世の僕が蝕夜と一緒にアゲンロスを封印している場面で、それまではアゲンロスは普通に冥王星プルイーナスに住んでいたことになる。まだ記憶が流れて来てこれは星の先祖と前世の昏花がリコーフォスの花畑で倒れていた。

 アゲンロスにやられたのかそれとも僕がと困惑していると黒薔薇を持つ誰かが僕の胸に刺している記憶。そこからは何も思い出せない。


「一気に思い出したようだな」

「前世の僕に何を仕組んだ?知っているなら答えて、海さん!」


 海さんの軍服を掴むも海さんは今は休めという言葉だけ残して、ストレッチャーで運ばれ海さんと一旦別れることになった。


 ベッドで横たわる僕はスマートウォッチの画面を開き、写真を眺めながら莉耶や昏花に会いたい。連絡先表を見たら全て削除されており、入っていたのは海さんの名前と波ちゃんと総司令官という名しか入っていなかった。

 バックアップはとってあるけどそれも削除されてそうだなと画面を閉じ体を起こして窓を見る。夜でも海の景色か見れないから星の観察は難しそうだ。


 菊太、無事だよねと海を眺めていたら、スマートウォッチが鳴り誰だろうとみると知らない番号だった。誰だと真神ですと答えたら、莉耶の声がする。


『昏斗、大丈夫?怪我はしてない?』

「大丈夫。番号も変わってたはずなのに、なんでわかったの?」


 莉耶に聞くと愛しい息子の七星の声が聞こえて、教えてくれた。


『昏斗が買ってくれたお星様の絵本読んでたらお星様の絵が数字に切り替わった。お母様に数字を伝えたら昏斗の番号だったみたい』

『菊太が全部教えてくれたの。あの記事を見たときはショックだったけど、菊太が電話で教えてくれて。桜庭課長たちと協力し合って捜してた時に桜庭課長から連絡が来た。菊太が撃たれて今集中治療室にいる。何があったの?』

「それは」


 伝えようとしたら海さんが隣に来て、莉耶に忠告をする。


「莉耶、今回は見逃してやるが、またかけてきたら子供たちの命を狙う。それと飼育員のことは諦めろ。飼育員は葉室剣総司令官の番犬であり、堕天使アゲンロスに忠誠を捧げる黒バラ騎士だ。これ以上関わっていたら莉耶の命も危ないし、昏斗が愛している全てが水の泡になる。それは嫌だろ?天満の子を宿しているからあまりストレスは与えたくはないが、子を守りたいのなら飼育員は諦めろ。以上だ」


 ポチッとこちらから切ってしまい、莉耶に何を言ってるんだよと僕は思わず海さんを殴ってしまった。いつもなら海さんはやり返してくるも今回だけはかかってこない。


「殴りたいなら気が済むまで殴れ。本当は嫌だったんだろ?莉耶が天満の子を宿していること。流産してほしいって実際は願ってたんじゃねえか?違うか?それでも莉耶の思いを受け止めて、一緒に育てようって嘘を吐いて。七星は育ててくれた天満の子になりたいと願っているが、莉愛は星音と飼育員と一緒にいたいと。なら子供たちの願いを聞くべ」


 僕はもう一発海さんに殴り倒れた海さんの上に乗って、もう一発殴りたくてもできなくて海さんの胸で我慢していた思いを流す。海さんは僕が大鳳天満に勝てないことを知って尚、僕の息子も大鳳天満の子でありたいと願っていること。

 そしてもう一枚のカード、誰にも教えてはいなかったことだ。僕と莉愛は星の音色の道に歩み始めていることをだ。


 海さんの大きな手が僕の背中に来て、温かい温もりを味わいながらしばらく甘えて泣いてしまった。


 

 翌日、もう我慢せず正直にいることを決め、僕は莉耶を振ることを決心して、新しいというか海さんと同じセリニ・ネアの正式な軍服に着替える。莉愛は七星と一緒で莉耶といるはずだから、莉愛だけを連れて帰ることにした。

 そうすれば星音に会わせてくれるって言ってくれたし、星音を一人ぼっちにはさせない。鏡で変なところはないよねとチェック入れていると海さんが入ってくる。


「準備できたか?」

「はい。あの花屋に寄ってからでもいいですか?」

「時間はあまりねえけど、まあいい。急ぐぞ」


 海さんに連れてってもらい監視カメラの映像でまだ海王星ポセイゼンにいることがわかった。大きな花屋に到着して僕はバラの斑点を十五本と、それからソラナムとアストランティアを選び花束にしてもらう。

 お待たせしましたと海さんに伝えて出発し、すでに大鳳天満は釈放されて莉耶といるのも把握済みだ。莉愛だけなぜか孤独感を出していたから、早く迎えに行ってあげたい。


 バイクを走らせて莉耶たちがいる街に到着し、海さんが人気を避ける場所を通っていく。なんか別れると言うのになんで緊張しているんだろうと歩いていたら海さんが止まった。


「あそこにいる。何が起きてもセリニ・ネアが変装しているから堂々と別れて来い。それで莉愛を迎えろ」

「はい。行ってきます、海さん」


 一度深呼吸して僕は堂々と人混みに入り莉耶と声をかけると莉耶は一瞬戸惑っていたが僕に飛びつきよかったと告ぐ。だが大鳳天満は僕が着ている服装に気づき莉耶を離させた。七星は莉愛と隠れているらしい。

 それでも僕は莉耶に花束を送った。


「莉耶にプレゼントだよ。今までありがとう」

「昏斗、何を言ってるの?一緒に帰ろう。菊太だって回復してる」

「もう僕の気持ちに嘘はつきたくはない。僕は我慢してたんだよ。本当は天満の子をおろしてほしかった。真の神に傷がつくからね。でも莉耶の気持ちを最優先してたけど、もう我慢できない。海さん、隠れてる七星と莉愛をここへ」


 降ろしてと叫んでいる七星と莉愛で大鳳天満が助けに行こうとしても波ちゃんが止めに入る。


「大鳳天満、昏斗くんの邪魔はさせないよ。莉耶に傷をつけたくはないでしょ?」


 昏斗と怖がっており大丈夫とピンクのバラを手にし、一度莉愛の顔を見て七星に最終確認をした。


「七星、大きくなっても七星の気持ちが変わらなかったら考えようって言ったけど、僕は正直でいることを決めた。だから父として最終確認をする。短期間だったけど七星は莉愛と恋心を持ちたい?」


 一瞬躊躇う七星で莉耶と大鳳天満の顔を見て駄目と莉耶が叫んでいるも、子供は正直だから七星の言葉を知る。


「やっぱり妹として見られない……。ごめんなさい、昏斗」

「そっか。莉愛、今のお母さんじゃなくて育ててくれたお母さんと一緒にいたいという気持ちはまだ残ってる?」

「……うん、お父さん。今のお母さんは私のお母さんとして見れない。ごめんなさい……」


 あまり莉耶にストレスを与えたくないけど、僕は七星と莉愛にピンクのバラで刺し子供たちの願いを聞いてあげた。アリスのまじないが解放され七星は正真正銘、莉耶と大鳳天満の子になり、莉愛は僕と星音の子になる。

 一応念のため七星に赤いバラを渡して、僕の子ではないことを証明させた。


「武器にならない」

「これで正真正銘、お母さんとお父さんの子になった。だけどしばらくは莉愛と会わせられない。それでもいい?必ず会わせてあげるから」

「お父さん、私はわからないよ」

「後でDNA検査で確認してみよう。大丈夫、すぐ七星と会えるように説得してみるから。七星、行きなさい」


 七星は満面な笑みでありがとうと僕に抱きつき、僕もありがとうと頭を撫でて七星が走って行く。僕は莉愛を連れてさっさと撤退することにした。



 私は一室に閉じ込められており、ベッドの上で体育座りをして顔を伏せているとお母さんとなぜか莉愛の声が聞こえて顔をあげる。そこにはなんと昏斗と莉愛がいて驚愕してしまうほど驚きが隠せないでいた。


「昏斗なんで」

「莉愛が星音がいいって言われて、もう正真正銘僕たちの子だ。ほら見て、DNAの結果」


 書類を見せてもらい嘘でしょと私たちの血液が一致して莉愛が私の子になっている。まあ私が産んだけど愛情は与えないようにしてたのにどうしてと頭を悩ませていたら、いきなり昏斗からキスをもらい私に抱きつく昏斗。

 何があったのと言いたいぐらいでも、なんとなく察しがついた。アリスがかけたまじないが解けたことにより、莉愛は私の子になって、七星くんは天満の子になったこと。ずっと隠し通していた思いが爆発したように昏斗は今、とても悲しんでいることが伝わった。


「私は私でいられなくなるけど、昏斗が望むならどこまでもついていくよ。莉愛もおいで」


 私も我慢してた。莉耶ちゃんがこのまま大鳳天満のものになればいいと望んでたし、昏斗を奪われたくはなかったからこれでよかったんだ。


「あのーイチャイチャしてるところごめんなさい。総司令官が二人を呼んでますよー」


 見られてたと私と昏斗は照れ笑いしながら離れ行こっかと、昏斗が手を差し伸べてくれるからその手をとって、莉愛は海さんの妹である波ちゃんに預けて葉室剣のところへと向かった。



ー海王星ポセイゼン ネオリオ社ー

 

 部屋にあったものを全て壊し頭を掻きながら下に転がっている物を蹴飛ばす。俺の弟をよくも奪いやがった葉室剣を絶対に許すものか。


「昏有、落ち着いて」

「落ち着いていられるか!今すぐ向かうぞ、ベナ」

「昏有、某も注意を払っていたらよかったし、波ちゃんが大将だったとは知らず接触してしまったのもある。本当にごめん」

「潤が謝る必要はないと何度言ったらわかる?」

「でも合コン持ちかけたのは某だし……」


 潤の女癖のせいで昏斗が奪われたのは事実だが、潤を責めるわけにはいかない。潤には忘れたくても忘れられない過去があるから女好きになってしまったのだからな。

 本当にイラつくともう一回蹴飛ばしていたら、落ち着きなさいと昏無と鈴哉がやってくる。


「さっき莉耶ちゃんから報告を受けた。昏斗がいきなり現れて七星を天満の子にし、莉愛を星音の子にしたと。それからバラの斑点が十五本とソラナムにアストランティアの花束をもらったそうよ。バラの斑点は君を忘れない。ソラナムは秘めた思い、アストランティアは愛の渇き、星に願いをという花言葉を持つの。何か意味があって贈った花束だと思うの」

「そんなの知るかよ。昏斗は確実にアゲンロスを復活させるはずだ。星はなんて言ってんだ?」

「力不足だったと落ち込んでいるわ。今は昏花がそばにいるけど、落ち込めば落ち込むほど蝕夜に切り替わるらしいの。私は一度、鈴哉と一緒に昏花の元へいくから暴走とかしないでよね」


 昏無の忠告を聞いて行ってしまう昏無と鈴哉。俺はどうすればいいんだよと俺には最低限のことしかできずただ物に当たるしかなかった。

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