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プラネットコード(改訂版)  作者: 福乃 吹風
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51僕は修、莉は飛

 蝕夜が話をつけてくれた方がなんと桜庭課長を連れ去った方で、桜庭課長はなんと元警察官だということが判明し超絶びっくり。海さんもそれは知らなかったらしくて、もっと早く言えよと一発拳骨を食らう羽目になった桜庭課長であった。

 それで今、桜庭課長たちのご指導のもと修行をさせてもらっているが、これはさすがにきつくないですか。


 土星スノロクは更地が多く、一つを買い取って訓練場としているらしいが広すぎでしょ。今ランニングしているも全然ディアヴォロスに追いつけていない僕と菊太。だが昏来はディアヴォロスと並んで歩いていて一緒に走ってくれている昏花は、僕のペースで走ってくれている。

 後ろを向くと待ちやがれ飼育員と更に置いて行かれている海さんで、海さんのペースで走っている甘ちゃんとひたる。


 ランニングだけで強くなれるものなのかなと、走ること三時間ぐらい。完走して地べたに座り込む僕たちにミネラルウォーターをくれる桜庭課長。


「休憩したら次、これやってもらうよ」


 タイヤが積まされておりそれを引っ張って走れとか言わないですよねと、目で訴えるもいつもの表情でやらなくちゃならないらしい。

 相談する相手を間違えたかと補給していると心が美汐と星音を連れて来て、莉耶がいないことに気づいた僕は心さんのところへと行く。


「莉耶は?」

「大鳳天満が直々に現れて、莉耶を奪った。俺たちもすぐ駆けつけたんだが、一歩遅くてな。ディアヴォロスの帝王は来てねえのか?ディアヴォロスの帝王にも話がある」

「ごめんなさい。大鳳天満が怖くて、三人とも動けなかったの」

「ごめん、昏斗。エルミスだった時の力があったのに助けられなかった」


 二人は悔しそうな顔をしていて大丈夫だよと二人をまとめて抱きしめてあげる。


「そんなことで怒らないよ。二人が無事で帰ってくれたからよかった。二人がやられてたら僕は意地でもあいつのところに行ってたけどね。怪我は酷くなかった?」

「うん。激しい痛みはあったんだけど、すぐ取れたよ」

「あたしも。そう言えば昏斗」


 二人から離れて美汐が描いてくれたイラストを見せてもらう。花らしくて考えられるとしたらネジバナ。花言葉は思慕。

 その時、前世の記憶が蘇ってリィヤと呼んでいる僕がいた。もしかすると前世の僕の恋人さんか奥さんがリィヤという名だった。だからエンジースの人たちはリィヤと呼んでいるんだ。

 でも疑問なのが大鳳天満がネジバナを使用していることで、前世の記憶を辿るもそういった一例はなかった。だとするとリィヤの生まれ変わりをずっと待っていたとしたらどうだろうか。

 

「何かわかった?」

「うん。これはおそらくネジバナと言って花言葉は思慕。綺麗に茎を巻き上げる姿が、一途に相手を思うことから花言葉が思慕になったとされているらしいよ。きっと大鳳天満は一途でリィヤのことが忘れられず恋焦がれてしまっている。だからリィヤの生まれ変わりとなった莉耶を捕まえたとしか言いようがない」

「どうするの?」

「今行ったところで、勝てるわけじゃないし莉耶を取り戻せるかもわからない。だから力をつけて準備が整ったら行こうと思う。それまでは莉耶に辛抱してもらうことになっちゃうけど絶対に取り戻す」

「わかった。私たちも強くなるために、ここに来たら休憩が終わったら参加させてもらうね」


 星音と美汐は一度ボスのところへ話をつけに心さんと行ってしまわれ、体を休めているとスマートウォッチが鳴り知らない電話番号でも出てみた。


「はい、真神です」

『そっちはどうだ?』

「兄さん。どうかされたんですか?」

『莉耶ちゃんが奪われたって聞いた。俺と昏希は先に天王星ラウモイズに行ってる。着いたら今かかってる電話番号にかけろ。俺の電話番号だからな。それと昏花、聞こえてるか?』

「何?お兄ちゃん」

『昏斗から離れるな。それだけ言っておきたかった。それじゃあ待ってる』


 兄さんの方から切られてしまい、昏有兄さんが言った言葉に理解してしまった。僕は天王星ラウモイズで暴走するから昏花にいてもらわなくちゃならないってこと。

 僕に言ってくれれば気をつけるのにと思っていても、僕は父さんに注意されてたあの力を再び解放してしまいそうだ。前世の僕ではないから実力も差が出るだろう。


 桜庭課長が再開するよと言われ、僕らは紐に括られたタイヤを背負って再びランニングすることになった。



 夜中、疲れているというのに莉耶が心配でなかなか寝付けず、外に出て夜風にあたりながら夜空を観ている。莉耶は僕の先輩であるも、年齢は同い年。一番最初にビンタされた記憶が今でも蘇りそうだよと頬を触れた。

 莉耶が僕の店に来て僕に叱ってくれたあの言葉は今でも忘れはしない。


〝あなたは死にたいんですか?妹となんの約束をしたのかはわかりませんが、妹はもう帰ってはこない!生きる希望を託されたあなたは、真実を突き止めたくはないんですか?真神昏斗!〟

 

 その言葉で歯車が動き出したように感じ、覚悟を決めて僕は隠れるのをやめ地下から脱出。それから莉耶は僕の教育係としていろんなことを教えてくれる莉耶に惹かれ、兄弟が同じ人に奪われたことをきっかけに付き合い始めた。

 笑ったり、怒ったり、悲しんだりする莉耶の表情は、いつの間にか懐かしさを感じていたのはわかってたこと。前世の僕が見ているかのように、やっと会えたという喜びと恐れを感じ始めたのは昏花と再会した辺りからだ。

 昏の花は時に、他の昏の記憶を呼び覚ますリコーフォスの力が存在する。だからなのか昏花と会う度に開花するような記憶が蘇っていた。


 それをまだ報告ができていない。僕はどの道負ける運命だということもすでに前世の記憶で知ってしまったからだ。天王星ラウモイズへ行ったとしても、僕は大鳳天満に敗北する。

 だから修行をしているふりをして、ゆっくりとやっているんだ。本当に僕は情けないよと拳に涙がこぼれ落ちる。


「昏斗?」


 泣いているところを見られたくはないと涙を拭き取っていたら、後ろから抱きついて甘い香りが漂った。


「私がそばにいるよ、昏斗」

「星音、僕はっ」

「昏斗は絶対に莉耶ちゃんを助けられる。それに流彗も昏未ちゃんも救えるよ。琥珀さんと真珠さんが占った未来を変えて見せよう。昏斗には私たちがついてる。今は弱音を吐いてもいいの。甘えて」


 星音の腕を掴み僕は夜空の下で悔しさの涙を流し、その声をかき消すかのように星音の歌声が訓練場に響き渡る。

 星音が一曲歌い終わり、僕も落ち着いたところでありがとうと星音に伝えた。


「ありがとう、少しスッキリしたよ」

「それはよかった。そうだ。昏斗にどうしても見てもらいたいのがあったの忘れてた」


 なんだろうと星音がスマートウォッチの画面を開いて、写真のアプリの一枚を見せてもらう。細長い太い紐のような花で赤と緑が多く落ちていた。

 見た感じこれはアマランサスで花言葉は粘り強い精神、不老不死、不滅の意味を持つ。


「これをどこで?」

「大鳳天満がいた辺りに落ちてたの。後、さっき教えてくれたネジバナも多少落ちてて。どんな花の?」

「これはアマランサスと言って花言葉は粘り強い精神、不老不死、不滅の意味を持ってる。現場では他に花が落ちてたとかはなかった?」

「なかったよ。その二つの花だけが落ちてた。後はディアヴォロスのご遺体があっただけ」


 椿が僕らのように武器を返還させられる力を得ていた。だから大鳳天満はネジバナとアマランサスの花を武器に変えたり捕まえることが可能になっている。

 前世の記憶では天使の羽根のみだったが、ここまで進化しているということなのか。だから前世の僕は勝てないと判断した。だとすればこうするしかない。


「ねえ、星音」


 星音がこちらを向いて僕は星音にキスをし、星音が僕を離すも顔を真っ赤にする。


「急にどうしたの?おかしいよ」

「莉耶をせっかくネオリオ人にさせたのに、エンジースに戻されて台無しにされる。だったら僕はしまっていた恋心の蓋を開けるよ。本当は星音が今でも好きだ。莉耶と同じぐらい愛してる」

「昏斗、ちょっと」

 

 僕はこれからいけない行為をする。星音をベンチにねっ転がせ星音と口づけをした。最初は抵抗していても次第に抵抗はせず星音の方からくる。

 

「莉耶ちゃんを諦めて私を選ぶの?」

「そうだよ、星音。僕はエンジースの一件を終わらせても、僕の大好きな星がつく星音を選ぶ。約束」

「約束破ったら、蝕夜様に言いつけるから」

「わかってるよ。部屋に戻ろうか」


 星音に手を差し伸べ立ち上がり僕と星音は星音が借りている部屋で一晩一緒に寝ることにした。



 翌朝、みんなが動揺している中、僕は星音から朝食をアーンしてもらっていた。なかなか恥ずかしいものですなと、ここからは自分で食べ、星音も照れながら食べている。

 

「昏斗、ちょっといいかな?」

「どうしたの?昏花」

「どうしたこうしたじゃない。ちょっと来て」


 星音にデレデレしながら手を振り食堂から出てどういうことと説教がきた。


「莉耶ちゃんがいながらも、何あれ?」

「何って見ればわかるでしょ?僕は莉耶が奪われた時点で、彼女を変えるつもりだった。それだけのことだ」


 昏花の久々のビンタを食らい、最低と僕に言い昏花は食堂へと戻ってしまう。やれやれと食堂に戻ろうとしたらぐいっと服を引っ張られ後ろを向くと怖い顔をしている蝕夜がいた。


「昏花に何かしたのか?」

「してない。彼女を変えただけだ」

「なぜだ?」

「未来を変えても変えなくても同じ結果になる。なら莉耶を諦めて、違う人と結ばれた方がいい。それに前世の記憶だとリィヤをネオリオ人にさせたから免れた。だけど今回は姉さんと鈴哉さんの子供である流彗くんがいることで、いくらネオリオ人にさせても、流彗くんがエンジースに戻すから諦めた」


 蝕夜は予想していなかったような顔立ちで、僕にもう一度問いかける。


「本当に良いのか?莉耶を諦めて」

「うん。莉耶には申し訳ないけど、僕には他に使命が残されてる。蝕夜ならそれくらいわかってるでしょ?各プラネットでバラの流星群で平和になったはずなのに、ディアヴォロスたちが元に戻って捕食人間を狙っている。いちいちエンジースに構ってられないんだよ」

「……そうか。なら好きにすれば良い、義弟昏斗よ」


 食堂に戻って朝食を食べ修行に励むことにした。



 ー天王星ラウモイズー


 透き通る風に小鳥の鳴き声、それから歓声が聞こえ目を開け体を起こす。エンジースにキスされてそれから何も覚えてないと唇に触れていたら、ベッドに座り私の頬に触れるエンジースがいて思わず振り払う。

 唇を奪った人だと無限拳銃を取り出そうとしたら、ないことに気づき服装が軍服ではなく天使が着るような服装になっていた。


「やっと、やっと真神昏斗から奪い返せた。愛しいリィヤ」

「触らないで!」

「いや、俺のものになってもらうよ。さあこちらにおいで」


 体が勝手に動いて嫌だと思っていても知らないエンジースにお姫抱っこしてもらい、部屋を出る前に鏡があって映っている自分を見てしまう。

 天使の輪っかがついていてそれに天使の羽根までもがついていた。私は頼んで昏斗にネオリオ人にしてもらったのにどうしてと考えていくとあっと思い出す。


 流彗はお兄ちゃんと昏無さんの子供。バラの剣が使えるんだったと、流彗を責めるつもりはない。汚い手で私を戻すだなんてこの人、最低だ。じゃあこの人が大鳳天満と顔をガン見してしまう。

 

「俺の顔に何かついているか?」

「違う……。あなたが大鳳天満?」

「その通り、不老不死の天使である大鳳天満。リィヤを思慕する天使だ」

「私はリィヤじゃない。莉耶」

「俺のものになるなら、そう呼んでもいい。まあすでに莉耶は俺のものだ」


 にっと笑う大鳳天満で降ろしてはくれそうになく連れてってもらうと、そこはバルコニーで下を見ると多くの天使たちが歓声をあげていた。降ろしてもらい、肩に大鳳天満の手が乗っかって近くに引き寄せられながら大鳳天満が演説をする。


「ついに俺の愛しいリィヤを取り戻せたことにより、やっとエンジースの時代が来た!人間を食すディアヴォロスを退治し全プラネットを我が物とする!ディアヴォロスと手を組んでいる人間及びネオリオ人がいたら天罰を与えよ!」


 もっと歓声が上がり早くこのことを昏斗に伝えなくちゃ。でもどうやって昏斗に連絡すればいいの。


「今から飛ぶぞ」

「え?」

「俺がついている」


 何をする気なのと再びお姫様抱っこしてもらい、大鳳天満の大きな翼が出てきて上空した。一気に飛び上がったから怖くなって大鳳天満にしがみつく。

 前以て言ってよと目を瞑っていたら開けてごらんと、開けると美しい光景を目の当たりにした。綺麗と夕空を見ていたら私の手を握って降ろす。


「落ちる」

「落ちない。翼をコントロールしてみるんだ。大丈夫、俺がついてる」


 どうやって翼をコントロールするのと最初は落ちそうになり、大鳳天満に支えてもらうも慣れていけば手を借りずに立つぐらいまではできた。


「できた……できたよ」

「やっと笑ったな」


 その言葉にすっかり忘れて、敵地だったと落下してしまい、どうしようと思っていたら大鳳天満が助けてくれる。


「今は慣れなくても次第に慣れる。莉耶がいるべき場所は昏の星の隣ではなく俺の隣だ。わかったか?」

「違うと言ったらどうする気なの?」

「そうだな。莉耶が大切にしている昏斗に天罰を与えよう。何度か見ているんじゃないか?」


 脅されここで違うと言い出したら、昏斗に傷を負わせてしまう。そんなのは絶対に嫌だとここは従っておこうかな。


「わかった。天満の隣にずっといる。だからこれ以上、ディアヴォロスを傷つけないで」

「無理だ。ほとんどのエンジースはディアヴォロスによって殺されたようなもの。今更引き下がるつもりはない」

「でも」


 唇に大鳳天満の人差し指がついて、これ以上言ってしまえばもっと酷くなると悟った。バルコニーに戻りそのままさっきの部屋に戻してもらうと、そこにお母さんとお兄ちゃんがいる。


「天満様、梅の役目は終わったはずです。なぜまだ閉じ込めている必要があるんですか?」

「梅にはまだやってもらうことがある。もし逃がそうとするならば、今度はないと思え」


 お母さんとお兄ちゃんは悔しそうな表情をして、大鳳天満にお辞儀をし去ってしまった。話したかったなとまた体が勝手に動いて、なんでと大鳳天満の膝に座る羽目に。


「私に何をしたの?」

「足を見てみろ」


 足と疑問に浮かびながら足を見ると捕まった時、足に絡まっていた花がまだ巻きついていた。取ろうと試してみるも瞬間接着剤のようになかなか取れなくて、大鳳天満は満足した笑みを浮かべていたのだ。

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