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プラネットコード(改訂版)  作者: 福乃 吹風
2/78

2僕は新、私は知

 本社に着きロビーを通り抜けて二階にある検査室で身体に異常がないか確認していき、僕も検査を受けお医者さんに異常なしと診断されたことでほっとした。

 ありがとうございましたと診察室を出て着替えをし、大人組はこちらという看板にその先を進む。


 数人が集まっており菊太を探しているもどこにもいなくて、さっきからいなくなること多いんだけどな。まあ飼った時から気まぐれさんでもあったからその内、僕のところに戻ってくるだろうと鞄に入れていた写真を取り出す。


 あれが最初で最後の別れになるだなんて辛いなと昏花に触れる。もっと昏花と接しておけばよかったという後悔が、僕の心を破壊していくような痛みが走ってきた。


 情けない兄ちゃんでごめんなと身体を縮こませていたら、おい、おい昏斗と呼ばれて顔を上げると、壇には垂れ耳をつけた背の高く、黒のスーツを着た青年が僕を見ている。


「昏斗、大丈夫か?」

「あなた誰っすか?」


 僕が発した言葉で大人たちは僕を凝視し、皆さんは知ってるんですかと固まっていたら、壇から降りて来て僕の前に立つ。じっとその人を見ると一瞬光って、何と思いきやなんと菊太だったのだ。は?と僕は立ち上がって叫び出す。


 いやいやあり得ない。犬が人間?人間が犬に?絶対に菊太じゃないと引いていたら、首輪が僕のお手製で作った首輪であることに気づく。花屋だから看板犬として名前を活かし菊の花をつけていた。


「本当に、菊太?」


 ワンッと返事をして人間になり菊太の姿をまじまじ見ていたら、大丈夫そうだなとさっさと壇へと戻り喋り出す。

 僕は全然平気じゃない。大人たちは菊太の指示通り振り分けた部署へと行ってしまって、頭の整理がつかぬままスタスタと人間の姿で菊太が戻ってくる。


「やっぱり俺を飼った時、契約書読んでなかったのは薄々気づいてたよ。全く、一から教えてやる。俺はスリウス犬というシリウスの星人の犬人間であり、プラネットコード社につく犬。そして俺は潜入捜査として犬に成り済まし、エリアの様子を伺いながら昏斗たちを守るつもりだった」

「だった?」

「契約書には飼っていただいた暁には、テオスパーティーの参加を阻止させることを誓うと記されてる。だが実際に守れなかった。その原因はわかるか?」

「全く」


 菊太は本当に悔しそうな顔をしていて自分のワイシャツを掴んだ。僕が仕事をしている間に菊太はきっと昏花の行動を見ていた。そして止められなかったんだと理解する。


「阻止していたはずなのに、先月昏花がテオス役所へ行こうとしたから、慌てて服を噛んで戻させようとした。でも無駄だった。契約書上この姿で止めることは不可能。一般の犬として振る舞うことが条件だったからだ。昏花は捜索願を出しに行っちまったんだよ」

「ちょっと待った。つまり捜索届は真っ赤の嘘で挑戦を挑む申込書だったってこと?」

「そうだ。家族が行方不明となれば、捜索願を普通出すだろ?それを利用してテオスパーティーに招待し、ディアヴォロスが人を狩りそして食う。ディアヴォロスの人食い星人は人を一人か二人食えば一ヶ月分の腹が満たされるからだ」


 僕の目は正しかったんだと力が抜けて地べたに座り込み、それを知っていたなら昏花を止められていた。僕はなんて馬鹿だ。もっと詳しくあの人に聞いておけば真実が見えて昏花に伝えられた。

 菊太がしゃがんで僕の頭を撫でながら、励ましの言葉を聞く。


「昏花が言ってただろ?必ず帰ってくるって。大丈夫、昏花の言葉を信じよう」


 そうだ。ここで挫けるわけにはいかない。例え昏花を失ってもまた来月行われるテオスパーティーを阻止しなければ犠牲者がまた増える。

 昏花、僕頑張るよと差し出してくれる菊太の手を掴み、立ち上がって僕がこれから所属する部署に案内してくれた。


 ここですかと看板はボロボロだしなんか倉庫感半端ないぐらいに人数が先ほど助けてくれた國月さんに桜庭さん、それから天真爛漫多性の少女に、本を頭に乗せデスクに足を乗っけている人だけなのだ。

 ヒューッと風が一瞬吹いたように暗すぎないかと見ていたら、やっと来たねと桜庭さんが席からたち僕の前に来た。


「改めまして、僕は第七捜査課、課長を務めている桜庭昴。それからもう莉耶には会ってるよね。二人とも挨拶」


 少女がこちらを向きダッシュして僕の前で敬礼しながら、可愛らしい笑顔で自己紹介してくれた。


「あたしは瓜畑甘露うりはたあまろ。よろしくお願いします!あたしのことは甘ちゃんって呼んでください!」

「よろしくね、甘ちゃん」


 その一方、びくともせずいびきが聞こえて、桜庭さんは手に顔を当てため息を出す。菊太は犬の姿になり何するんだろうとデスクの上に乗っかってなんと足を噛んだ。

 それにより痛えこの馬鹿犬と菊太を虐めようとしたから来い、菊太と呼ぶと菊太がこっちに来て、やりましたという顔をしたからおやつをあげる。


「ったく。少しは寝かせろ、昴」

「まあまあ仕方ないでしょ。新入りが入ってくれたんだからさ。それに菊太も生還したことだし、会長に報告しなければならないこともある。行くよ」

「今からですか?」

「もちろん。莉耶、会いたくないのはわかるけど、莉耶の手柄なんだから行くよ」


 全然読めない場に僕は馴染めるのかと桜庭課長について行き、エレベーターに乗って桜庭課長がカードを差し込み、エレベーターのボタンを押すと動いた。 

 地下だとういのに空もあって街並みが綺麗だと眺めていると、最上階に着いたのか止まって全員が降りる。僕もつられて降りるが扉を開けようとはしない。


 すると内側からボンっボンっという音が聞こえ下がってと言われたから、下がってみると扉が開くと同時にぬいぐるみがわんさか出てきたのだ。ぬいぐるみに紛れて現れたのは人形のような顔立ちの少女で甘ちゃんと同じぐらいの年齢だろうか。


 その子は目をぐるぐる回し桃花とうか会長と部屋の奥から誰かの声が聞こえた。だらしないと現れたのはキリッとした眼鏡に胸元には名札がついており、会長秘書國月ふじとある。

 國月さんのお母さんと國月さんの顔をみるとそっぽを向いていた。そうなるとこの人がお母さんなのは間違いない。


「ぬいぐるみ、片さないと星音せのんのグッズ燃やしますよ!」

「ごめんなさい、ふじ」

「もう。桜庭課長、少々お待ちください」


 片付け手伝いましょうかと声をかけたいのだが、桃花会長という子は誰にも力を借りずに自力で片付けをしていくこと数分。

 さっきはあんなにいっぱいあったのがショーケースにぬいぐるみを綺麗に並べて整理されていた。

 会長の椅子にちょこんと座りお待たせしましたと言う桃花会長の前に桜庭課長と莉耶が報告していく。

 

「指示通り今回のテオスパーティー会場が木星セウスジアでセウスジアにお住まいの複数人が出荷されました。ですがご家族にはきちんと説明をしたことにより、参加をしないと拒否したことで街は崩壊したと第七捜査課は判断致しお連れしました」

「莉耶、この短期間でよく街の民を救ってくれたこと感謝致します。あなたの兄もきっと喜ぶでしょう。昴、そちらの方がSー138435である真神昏斗?」

「はい。僕が仕掛けたことで菊太をセウスジアGエリアに侵入させることができました。菊太、元ご主人様に報告を」


 会長の犬を僕が飼ったのと一驚し、菊太は跪いて桃花会長に報告をし始めた。


「昏斗の看板犬となりながら周囲を確認致しましたところ、やはりクレヴィー社がディアヴォロスと繋がっていたことが判明。これが証拠になります」


 USBを桃花会長に渡し菊太目線であってもテオス役所の中に潜入し、ディアヴォロスらしき化け物と話している現場を押さえている。それにこの部屋はケースが積み重なっており亡くなった人たちの遺品が置かれている部屋。

 それに地上へと行けるらしいエレベーターまで見つけるとはね。


「前々からそういう仕組みになっているとは思ってました。7つの街の中心には必ず地上へ出る通路が確保されていること。お見事です、菊太。あなたはもう立派な社員ですね。後で褒美をあげます。これからも引き続き、昏斗と共にプラネットを救ってください」

「はい」


 会長のところに返さなくていいのかなと後で契約書読み返すとして、菊太は犬の姿になり僕の横でおすわりをした。桃花会長はデスクにある引き出しから何かを取り出し、ふじさんに渡してふじさんは受け取ったものを僕に渡す。

 これはと確認してみると拳銃と拳銃を入れるベルトが入っていた。箱にはQRコードが付いている。


「昏斗、自分のスマートウォッチの画面を開き、そのQRコードを読み込んでください」

 

 スマートウォッチを操作してQRコードを読み込むとアプリを取得しますかとあり、はいとやると惑星のアプリがスマートウォッチに入った。

 アプリをタップするといつの間に撮ったのか社員証が現れ、横にはディアヴォロス情報や拳銃の弾丸種類、それから社員連絡一覧が入っている。

 すでに僕、この会社の社員になったのと少々驚きはあるけれど、花屋は崩壊してしまったし職探しは必要だったからよかったのかもしれない。

 社員証には第七捜査課、見習いスリウス犬使いと書かれてある。他に言い方はないのかなと思いつつも、有り難く拳銃とベルトを戴こう。


「アプリの使い方は教えてあげてくださいね。それとふじ、あれもお渡しください」


 今度は大きな紙袋をふじさんから戴き、中身を確認すると國月さんたちが着ている隊服だった。


「それはディアヴォロスから身を守る衣です」

「ありがとうございます、桃花会長」

「昏斗、妹を失って、すぐですが、ディアヴォロスを完全に消滅できれば妹の死は報われない。頼みますね、昏斗、第七捜査課の皆さん」


 はいと返事をすると下がっていいと言われたから、失礼致しますと頭を下げたから僕も頭を下げ会長室を後にする。

 そういえば國月さんがドレスについて詳しく僕に聞いたし、後で教えるとか言ってくれてたな。

 

 前で甘ちゃんと話しながら歩いている國月さんを見つつ、これからどう動くのかも気になるし早速これ着たい。


 第七捜査課室に戻り、僕のデスクは國月さんの隣でロッカーが階段を登った先にあるらしく、そこで着替えてきてと言われたから言われた場所で着替える。

 ちゃんと僕の名前が入ってるとロッカーを開け、ハンガーに服を通し隊服に着替えた。サイズがぴったりで靴もピッタリだから驚いていると、どうと桜庭課長がやって来る。


「ぴったりです。どうしてですか?」

「月に一度、健康診断あるでしょ?それをクレヴィー社からハッキングして情報を盗んでる」

「じゃあ僕の名前を知っていたのもその会社から盗んだ情報」


 眼鏡をくいっと上げ微笑む桜庭課長で、そういやクレヴィー社がディアヴォロスと繋がっていたとさっき菊太が言ってたな。そこも含めて教えてくれるのかと下に降り僕のデスクについてパソコンを起動する。


 社員番号が借パスワードらしく社員番号を入力して、なんもない画面が出てきた。カーソルを下に持っていくとアプリが何種類かありスマートウォッチのアプリと連携されている。

 凄いなこの会社はと壁紙をあの写真にしてメールをチェックしてみると、向かいのデスクにいる人からなぜかメールで自己紹介の文が送られてきた。


 プラネットコード社 本社在勤 第七捜査課 課長代理 陽瀬海ようせかい。言っておくが俺は犬が大嫌いだ。ちゃんとリードつけておかなきゃただじゃ済まさない。


 菊太がやったことだけど飼い主である僕にも責任があったのは確かだ。軽い自己紹介とさっきはすみませんでしたと謝罪文を入れて返信した。

 なんでメールだったのかは不明でもいいかとメールを閉じ、次はとマウスを動かしていたら國月さんが資料のファイルを持って隣にくる。


「今日から私は昏斗の教育係だから、まずはこれを覚えて。私たちは地上に行き実際にディアヴォロスと戦うことがあるから種別は覚えること」

「行けるの?」

「普通にディアヴォロスが生活している姿も見えるけど残酷。ペットのように人が飼われている場面もいくつか見てきた。ただし絶対に助けてはならない」

「なんでよ。人はペットでも家畜でもないはずだ」

「これを見ればわかる。目を通したら呼んで」


 國月さんは僕に資料を託した後、自分のデスクに戻ってカタカタと仕事をし始めていき、僕は資料に目を通すために資料のファイルを広げた。

 そこにさっき言っていたことが記してあり、『ディアヴォロスが飼っている人間を助けた場合、助けた人の身代わりとなって食される。飼っていた人間も食されるため決して助けてはならない』。

 写真もいくつか資料にあり見たくはない写真ばかりだ。次いこうとめくると、ここからは各プラネットごとにディアヴォロス星人が違うらしい。それと僕らと比較的近い人間のことをエクリプス人と言う。

  

 水星であるヘルスミエにいるディアヴォロスは水を再現した姿で形は様々。危険を感じると透明となり身を隠した後、目の前にいる獲物を狩り捕食するらしい。エクプリスの肌の特徴は秘色ひしょく。人間のコードはH。


 金星であるアプロディロにいるディアヴォロスは金を再現した姿で、金銭や宝石と成りすまし人間が手にした瞬間に襲う。エクリプスの肌の特徴は黄檗色きはだいろ。人間のコードはA。


 地球であるオルモフィーケにいるディアヴォロスは人間の姿をしているため見分けがつきにくい。人間を騙している時はディアヴォロスと認識しろ。エクリプスの肌の特徴は肌色。人間のコードはO。


 火星であるアリーレスにいるディアヴォロスは火玉や炎を再現した姿。普通に炎が出ているところは要注意である。エクリプスの肌の特徴は赤茶あかちゃ。人間のコードはK。


 木星であるセウスジアにいるディアヴォロスは自然を再現しているため特に危険な惑星でもある。地面もディアヴォロスなため行くには地下から行くべし。エクリプスの肌の特徴は抹茶色。人間のコードはS。


 土星であるスノクロにいるディアヴォロスは土や岩を再現している。砂嵐が多く発生するためゴーグルは常に持ち歩くこと。エクリプスの肌の特徴は松染まつそめ。人間のコードはD。 


 天王星であるにいるラウモイズにいるディアヴォロスは天使の羽をつけているが接触すると残念な姿を現し襲いかかってくる。エクリプスの肌の特徴は端色はしたいろ。人間のコードはR。


 海王星であるポセイゼンにいるディアヴォロスは魚人姿であり常に槍を持っているのが特徴である。エクリプスの肌の特徴は杜若色かきつばたいろ。人間のコードはP。


 人間のコードとは各プラネットで家畜されている惑星コード記号らしく、ディアヴォロスがそれを見たらどこの出身でどう言う育ちかもわかってしまうからコードは無闇に出さないこと。

 そうか、腕にあるコードを見せてしまえば、狩られる可能性が高いと言うわけか。でもこんな情報をどうやって手にしたんだとディアヴォロスの種類を頭に入れながらめくっていくと最後のページに興味が湧く。


 國月鈴哉くにつきすずなりテオスパーティーに参加後、自ら生還した男であるが、違う惑星から招かれたことにより戻らなくなってしまった。

 

 この人、國月さんのお兄さんであることは間違いはない。会長室に行った時ふじさんと全然目を合わせなかったのは、これが原因だとしたらどうだろうか。

 

 人通りみて僕は國月さんにファイルを返す。


「どうだった?」

「色々と参考になったよ。あのさ、一つ聞いてもいいかな?」

「なんでも言って」

「國月さんのお兄さん、どこのプラネットに招待されたの?」

「一番大きい惑星、セウスジア。でもあそこはとても危険な場所。生きてるわけがない。お兄ちゃんの彼女さんがセウスジア出身で、その人はテオスパーティーに招待された後帰っては来なかった」


 ファイルを棚に戻しながら、違うファイルを取り出して席に戻る國月さんは、僕にファイルを渡しその続きを教えてくれた。


「それから一年後に、お兄ちゃんの燕尾服が届いてセウスジアで待つという文面が添えられて旅立っちゃった。私は反対したの。生きてるわけがないって。でもお母さんは行きなさいって言った。自殺行為なのわかってたはずなのに、お母さんがあんなこと言ったせいで結局お兄ちゃんは死んだと同然」


 今でも悔やんでいる表情を出しており、だから今もふじさんと喧嘩中っていうことなんだ。


「ちなみにガラスケースは届いた?」

「うん。お兄ちゃんが彼女さんに贈った婚約指輪が入ってた」


 僕の憶測でしかないけどディアヴォロスはなんらかの目的で、國月さんのお兄さんを呼び出し狩り出されてしまったということでいいのだろう。

 

 その後、貸してくれた資料を見ながら國月さんが詳しく説明して行ってくれたのだ。


 ⁑


 連れて来られて一日が経ちあれが夢だったらよかったのにと身体を起こし朝日を浴びる。昨日、私は月日蝕夜つきひしょくやという人に、なんでもするからと発してしまったことによって行動を共にすることになった。

 なぜ私を生かしたのか昨日の時点では教えてはくれなかったけど、共に行動をしていれば昏斗を探しに行ける。

 ただ逃げることが絶対にできないように腕についている数字の後に主人のイニシャルが刻まれた。


 入りますと侍女さんたちが入って来て、身なりを整えてくれる。再びドレスかと思いきや、フレアワンピースに昏斗がくれた髪飾りをつけてくれた。


 早く昏斗に伝えたいと思いながら、侍女さんたちにお礼を言っていると、蝕夜がノックもせずに入って来たのだ。ノックぐらいしてほしいものでも、取扱説明書のようなものをくれて一通り読んだら主人に逆らうなと書いてあった。

 グッと言いたいことは言わずに、私の髪の毛を絡ませ香りを確認する蝕夜。


「本当にもったいない香り。その香りが消えたらやつがれはすぐ昏花を食すから。さあ朝食を食べて出かけよう。今日はいいものを見せたい」


 私の手をとって部屋を後にし食卓に入って席に座るけど、私の朝食分しかなかった。蝕夜は葡萄酒と言っているワインを一杯飲むだけ。

 まだディアヴォロスについて知らないことが多い。少しずつ教えてはくれそうだけど、こういう人たちがたくさんいるってことでいいんだよね。考えていると蝕夜が私を呼び、蝕夜の顔をみるとある映像が出てきた。


「昏花が気になってると思ってね。監視カメラで確認を取ったところ、やつがれの敵であるプラネットコード社に引き取られた」

「よかった」


 昏斗と菊太が映っている映像を見て安堵を感じ、いつか会えるんだと笑みを出していたら、蝕夜が冷笑し口角が片方だけあげる。何かとてつもなく嫌な感じがすると、手を止めていたら笑顔になり口が開く。


「昨日はあんなこと言ったけど、気が変わった。昏斗もやつがれが求めていた高級品。手放したくはない。だから昏斗を誘いテオスパーティーに招待する。ただ生憎、昏斗はプラネットコード社の社員。だからそう簡単に昏斗を招待できない」


 昏斗がテオスパーティーに招待されても夜明けまでディアヴォロスから逃げなくちゃならない。それでも昏斗は私が生きていることを知ってるなら、助けに来てくれる。ただ逃げられたとしても私のようになってしまい、いつか蝕夜のお腹に入るってことだよね。

 だとしても昏斗に会いたい気持ちは変わらないのは事実。蝕夜の思いのままに従っていれば、いずれ昏斗と会うチャンスがきっとくる。会うためにもまずは蝕夜のことをもっと知っておかなくちゃ。


「どうすれば招待できるの?」

「その気になったみたいだね。もちろんテオスパーティーに招待するのも一つの手。もう一つ、狩る方法がある。それを観に行こうと思ってね」


 狩る方法と疑問系が浮かぶもそれに乗っかり、それを見に朝食を食べた後、見に出かけて行った。

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