ネオ・ブリザードの午後8時半劇場 ⑥
げんーせ、現世の事でした。
あるところに、とても元気なごく普通の女子中学生がいました。
ある日の事でした。女子中学生が普通に学校に登校していると、交差点の所でトラックに轢かれ、天に召されてしまいます。
……次に目覚めた時、彼女は、一面真っ暗な世界に独り、ぽつんと立っていました。
いえ……良くみると、目の前に背中から羽の生えた『映像化不可能』な程の美しい天使が浮遊していました。
彼女は、その天使から衝撃の真実を告げられます。
……貴女の死は、こちらの手違いだと……
それを聞いた女子中学生は、あまりの事に泣き崩れてしまいました。
彼女は、生き返らせてくれ、と懇願しますが、天使は、一度亡くなった人間を生還させる事は、宇宙が爆発しても無理、と言って取り合ってくれません。
天使は、その代わり、他の世界なら死ぬ前の姿と記憶を保ったまま生き返れるから、それで許してくれ、と頭を下げます。
女子中学生は、とても納得はいきませんでしたが、お詫びとして、神の力をひとつだけ授けてくれると言ってくれたので、許してあげる事にしました。
天使は早速、女子中学生に神の力を授けると、魔法陣の中心に立たせます。
そして、両手を天にかざし、何やら魔法を唱えると、女子中学生の身体は、細かい粒子が霧散するかの様に消え去ります。
彼女は無事、新たな世界に旅だったのです。
唯一無二の能力『将来を約束された人生』を授かって……
これが本当の『異世界天性』……
……おしまい。