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何事も節度をもって楽しみましょう


 ――酒は飲んでも飲まれるな。

 なにごとも適度に楽しめる範囲で楽しむのが肝要であるということを示すことわざのひとつである。

 酔っ払って自分を見失い、手痛い失敗をしてしまうというのはよくある話だが。よくある話というのは本当によく起こってしまう話であるからして、身近にそういう悪例が存在することは珍しいことではなかったりする。

 とは言え、酒に溺れて自分を見失ってしまいたいと思う出来事も世の中にはあるのだろうし、それそのものを絶対にあってはならないことだと言うつもりは毛頭ないのだ。

 ただ、そんな醜態を晒すのは、身内と呼べるくらい近い間柄の人間だけがいる場だけにしておくべきだという、それだけの話である。

「――だからこの人は自慢の恋人なんですぅうう!」

「いい加減黙ってくれないかなぁ!?」

「瓶はダメだって! っていうか殴るのもダメ!!」

 会社の同期で催す飲み会。そこに大虎が現れるのも恒例の行事と言えばその通りなのだが、全員が全員、酔っ払えば記憶を失うわけでもない。

 ゆえに、ダメなところを晒せば、当然のように後日ネタにされるのである。

 ……現在進行形で肴にされるけどね。

 でも止めたら肴が無くなるからね! 仕方ないね!! なんて思いながら。惚気話の当人、その片割れが暴れてでも話を止めようとするのを周りがなんとか止めている――そんな光景を眺めつつ、自分はこうならないように気をつけようと心に誓うのだった。





お題:虎、殴る、瓶

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