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夕立は突然やってくるものである


 ――きゃいきゃいと騒ぐ甲高い声が聞こえて、まるで引っ張り上げられるような錯覚とともに集中が途切れる感覚を得た。

 何事かと思って、音源だろう窓の外へと視線を向ける。

 まず目に入ってきた情報は、雨が降っているという事実だった。

 ……小雨だったのかな。

 と思ったけれど、見ているうちに少しずつ雨足が強くなっていって、やがて雨粒が窓を叩く音が激しくなった。

 そしてその雨音が強まるのに比例するように、下方、道路のあたりにいる小さな子どもの集団が、慌てているんだか楽しんでいるんだかわからない様相で声を上げている様子が視界に入ってくる。

 外から見ていてはっきりわかることがあるとすれば、それは、クモの子を散らすように、彼らが駆け足でその場から離れていくことだけだった。

 幼い声は遠のいていき、聞こえなくなって、ついには雨音だけが残るようになる。

「…………」

 時計を見る。時刻は午後四時を回ろうとしているところだった。

 ……半端な時間だなぁ、おい。

 と思ってしまったものの、そこに文句を言っても仕方ない。

 確認してみれば、やっていた作業の進捗は順調そのものだ。これなら少しくらい早めに切り上げてもいいだろうと、そう判断して、

 ……少し早いが、夕飯の準備でも始めるとしようか。

 そんなことを考えながら、作業の合間に飲み干して中身が空になったカップを持って台所に向かうことにした。





お題:雨、逃げる、カップ

逃げるという単語はクモの子を散らすという表現に変えて使う形にしています。

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