仕事の切れ間に浮かんだ雑念
食べることが好きな人間にとっては朝昼晩の時間帯は一日のうちでも楽しみな時間だろうと、そう思う。
特に、一日の始まりでもある朝に食べるものはその日の気分を決めると言っても過言ではない。
最も理想的な朝食とは、きっちり早起きして手間隙をかけて準備をしたものだろうか。
寝ぼけ眼をこすりながら包丁を使うのは危ないと言えば危ないのだけれど、その障害を乗り越えて作り上げた一汁一菜のひとそろえ――炊き立てのごはんと作りたての味噌汁に、目玉焼きあたりの一品を添えることが出来たのなら、その日の気分が上向きになるだろうことは間違いない。
仕事が忙しい時期になると早起きが難しくなってきて、自分で朝食を用意することが難しくなることもある。そんなときにはインスタント食品や栄養機能食品で済ませてしまうわけだが、当然のことながら仕事に対するモチベーションは下がってしまうのである。
……まぁノルマはこなしますけどね?
お金をもらってる大人ですからね、ええ。当然です。
しかし、しかしだ。
朝食で上げられなかったモチベーションを昼食や夕食で回復をさせようも意外とこれが難しいもので。朝食を作る暇もないのだから昼食を自分で用意できるはずもなく、仕事で疲れ果てた後に自分で作る気力など残っているわけもないので買って済ます形となるわけだが。
――いや、外食は外食でまずいわけではない。
ただ、仕事で忙しいときに一人で食べるとなれば、近所の決まった店で食べるうまくもまずくもない定食かコンビニで軽食とかになってしまって味気ないのだ。うまいはうまいし、気に入ってるものを食べてはいるわけだが、少なくともテンションは上がらないだけである。
個人的には切実な問題であるけれど、死活問題ではないというあたりが非常に悩ましい。現状で回ってしまっているから、重い腰を上げるには理由が弱いという意味でだ。
……ああもう本当に、生きるってのは大変だ。
飢えないためには仕事をしなければならないが、その仕事のせいで飢えが増して仕方ないとは。人生というのは本当にままならないものである。
……とりあえず今日の昼は奮発しようかな。
ひとまずはそんなことを考えてから、
……財布の中身とは要相談だけど。最近は体重とも相談が必要になってきたけど。
追加で頭を過ぎった言葉をため息とともに吐き出してから、集中が途切れて止まっていた作業を再開した。
お題:昼、目玉、包丁




