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ホワイト・アイランド  作者: 大熊 健
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第二部 脱出

        第二部


        脱出



 フローズン・ベースではテロリストの制圧により、管理人であるスミスの立場は悪かった。占拠した者たちの食事を作りながら、これに毒を盛れたらという妄想をかすかに抱く。

一階部分にあるキッチンでそう思いながら、ホットサンドを人数分作った。

 テロリストの一人、黒人のファクパーが、ハンドガンM1911コルトガバメントを手に、スミスを見張っていた。

「できたか?」

「はい」

「よし、二階で見張りをしているヘッダたちに持っていけ」

「わかりました」

 スミスは皿に盛ったホットサンドを二階に持っていく。

 二階にはヘッダとクアイアット、それにスタートルがいた。

「おう、食事か。もう夜の八時だからな。腹も減る」

 と、スタートル。

「早く中性子爆弾が見つかれば、それだけここに籠城する必要もなくなるがな」

 クアイアットが言った。

「中性子爆弾とは、その、なぜこの土地に?」

 スミスはクアイアットに聞いた。

「中性子爆弾を知ってるのか?」

「はい、中性子爆弾というものは別名クリーンな爆弾と呼ばれているようですね」

「それは嘘だ。大嘘だぜ、管理人さん」

「え?」

「爆発は小規模で、あとは放射線が半径一キロ以内を大量被曝させ、残留放射性物質はそこまで残らないというのが核物理学者のサミュエル・コーエンの説だが、実際はクリーンなんかじゃないそうだ。建物をすり抜けて生き物だけを被曝させ、殺すというものだろ?しかし、動植物すべてが被曝し、アフターマスではその土地の放射性物質は残り続ける。そんな爆弾なんだ。それをこの土地で一発爆発させるらしい」

「な、なんですって?」

 スミスの表情が変わった。

「この極島は被曝する。おそらくな。そのどさくさにまぎれて俺たちはここを脱出するんだ」

「そんな計画なんですか?」

「そうだ。この地に投棄されている中性子爆弾は三基。残りの二基のうち、もう一基は大陸で爆発させるつもりだ。それで戦いを終わらせる。いわゆる核テロってやつだ。そして残りの一基を金に換えるつもりだ。ロシアに売れば、いい金になる。それで俺たち〈バイキング〉の組織の規模もさらに大きくなるはず」

「〈バイキング〉?」

「ああ」

「それがあなたたちの組織ですか」

「そうだ。いいネーミングだろ?」

 スミスはため息交じりに肩を落とした。


 神よ、お願いします。もし助けてくれるのなら、どうかこいつらの計画が失敗に終わりますように


*       *       *

 

 バーグの村/夜八時


 吹雪もやんできたころ、バーグの村の通信室を備えたコテージでは、この島の管理をする警備兵のリーダーのジェイソンは憂鬱だった。二時間ほど前にシェルターに向かったドルフィンと連絡が取れなくなっていたからだ。

 何かあったのだろうか?

それに、奇妙なことに東の崖っぷちにあるフローズン・ベースからの定期通信も途絶えているのだ。これは朝まで待てない。即急に事態の把握をしなければという思いだった。

 他にここにいる警備兵は、サイモンとライベン、アルモ、それにデズモンドだった。全員、戦闘訓練をじゅうぶんに受けた軍隊出身のエキスパートたちだった。

「なぜ、フローズン・ベースは沈黙しているのだろう?」

 ジェイソンは表情を変えずに言った。

「こんなことは初めてだ」

 アルモが一緒に通信手段を手伝った。インカムをつけて、フローズン・ベースへの通信を試みていた。

「フローズン・ベース、こちらバーグ。応答してください。どうぞ。フローズン・ベース、応答をお願いします」

 しばらく応答を待った。だがやはり沈黙していた。

「フローズン・ベース、応答してください」

 と、再びアルモが言う。やはり沈黙は破られなかった。

「いったい、どうしたんだろう?」と、サイモン。

「わからん」

 デズモンドがコンピューターでマップを出す。

「シェルターに行ったのはハンターたちだったな。もう着いているはずだ。応答しないなんて今までなかった。無線も通じない。どうする?」

「様子を見に行ってみるか?吹雪はもうおさまりかけている」

 と、ライベン。

「雪上用のジープで行くか?」

「ああ。今なら行ける」

 デズモンドは強く言った。

「なら、デズモンドとサイモンはシェルターへ急いでくれ。俺とライベン、それにアルモはここでフローズン・ベースとの交信を続ける。いいな?」

 ジェイソンはそう言うと、デズモンドたちに首を縦に振る合図を送った。

「それじゃ、行くか」

「ああ」

 サイモンとデズモンドは会話をかわすと、二人ともコテージを出た。


*       *       *


 半壊し、崩れ落ちたシェルターは、しばしの沈黙があった。、意識を取り戻したスノーは、自分の頭から血が出ていることに気がついた。口の中も切ったみたいで、血の味が口の中に広がる。そして全身の痛みと喉の奥からの吐き気でつらさが増す。体もしびれていて、しばらく動けない状態だった。

 そばで石炭や薪をどけて、体を出すウォーターの姿があった。瓦礫につぶされて死んだかと思ったが、それに反して彼はかなり元気だった。しかし、ダメージはあるようで、右肩を左手でおさえながら、瓦礫を脱出したようであった。

 シェルターは屋根が落ちていて、スノーとウォーターは閉じ込められている状態であった。そのことに気づくのに時間はかからなかった。

「スノー、大丈夫かい?」

 先に沈黙を破ったのはウォーターの方だった。心配そうにスノーの方を見る。

「う、うん。大丈夫よ」

「ケガしてる?」

「ちょっとね。でも大丈夫よ」

「そっか」

「でも、わたしたち閉じ込められてる。どうしよう、出られないわ」

 落ちた屋根と床に挟まれ、小さなスペースに体をゆっくりと動かすスノー。

「あいつら、いったい誰なんだろう?」

「わからないわ」

「いきなり攻撃してくるなんて」

「この島の人たちじゃないのは確かだわ」

「それよりも、今はここを脱出することを考えなきゃな。屋根が邪魔で出られない」

 ウォーターは狭いスペースに体をねじらせた。

「どうする?」

 その時、床にある地下倉庫に通じる鉄製の扉を見つけるウォーター。

「ここは?」

 ウォーターは扉をずらして中を見た。暗かったが、においでガソリンのにおいだと気づいた。スノーモービル用の燃料だなと彼は感じた。

 もう少し扉をずらすと、体が入れるほどに入り口が開いた。

 ウォーターは足から地下倉庫に入る。それほど広いところではなかった。しかし、人間二人くらいは入るスペースはあった。

「ウォーター」

 スノーが声をかける。

「ウォーター、何してるの?」

 ウォーターの姿が消えたのに不安を感じたスノーは、あたりを見渡した。その声はウォーターに届いた。

 地下倉庫にいたウォーターは頭をヒョイと出した。

「この中に来てくれ」

「え?」

 スノーは言われたように、体を芋虫のように這わせて鉄の扉を超えて、地下倉庫に足から入った。

「どうするの?」

「ここに燃料用のガソリンがある。缶に入ったやつだ。見てくれ」

 確かに二リットルの燃料が入った缶が十個はある。

「これを上に載せるんだ。手伝ってくれ」

 そう言うと、ウォーターは缶を一つ一つ上の床に置いた。

 スノーは「まさか!」と思った。

「ウォーター、ひょっとしてそのガソリンで上の屋根を吹き飛ばすつもり?」

「ああ。そうだよ」

 得意げに語るウォーター。

「そ、そんな危険なことを?」

 不安を隠せないスノーは、さらに言った。

「わたしたち、今度こそ生き埋めになるわ!」

 だがウォーターは冷静だった。

「心配はないよ。あとはスノーのマフラーにガソリンをしみ込ませて、導火線の代わりにしよう」

「そ、そんな」

「スノー、マフラーを」

 スノーは言われたとおりにマフラーを外してウォーターに渡す。

 ウォーターはガソリンの缶のふたをあけると、スノーのマフラーにかけた。そして導火線代わりにそれを上から垂らす。

「ライターをくれ」

「本当に大丈夫なの?ここが崩れない?」

「大丈夫だ。信じてくれ。落盤さえしなければ地下は安全なんだよ。それに」

 ウォーターはスノーの方を向いた。

「あきらめるなだろ?」

 スノーは少しの沈黙の後、首を縦に振った。そしてそれ以上何も言わなかった。

 ウォーターは導火線にライターで火をつける。

「ドカーンだ」


*        *        *


 ハンターは自力で起き上がると、シェルターが崩れ落ちていることに気がついた。まさかこんなことが起きるということを誰が予想できただろうか?

それにあの連中。奴らは完全にプロだ。何のプロかって、殺しのプロに違いないと思った。武装した連中が自分たちを襲ってきたのだ。自分もかつてはプロの戦闘訓練を受けた戦闘員だった経験から、敵の動きは必ず何かあるのだと思った。

 その時だった。敵の一人であるバークスリーが、スプリングフィールドM14ライフルを持って、瓦礫と化したシェルターの上に登り、ハンターに標準を合わせているのが見えた。撃つ暇を与えないためにハンターは話を切り出す。

「お前たちは何なんだ?なんの組織だ?」

 ニヤリと笑みを浮かべるバークスリー。

「死ぬ前に教えてやろう」

 バークスリーは標準を外さずに言った。

「鉱脈へ行くのさ」

「なんだと?」

「知ってるだろ?この島にある唯一の鉱脈だ」

「ああ、あそこか。そこに何の用なんだ。もう閉鎖させてある。あそこには何もないんだぞ」

「まぁ、知らなくて当然だよ。俺たちの組織が誰にも知られずにあそこに中性子爆弾を隠したのだからな」

「中性子爆弾?」

 ハンターは表情を硬くした。

「いったい何のことだ?」

「どっちみち、お前は死ぬ。ここで撃たれても、中性子爆弾が爆発しても。ここは核汚染されるからな」

 バークスリーは不敵な笑みを浮かべながら、ハンターを射殺しようと引き金を引こうとした。

 その時、足元から爆発が起こり、大量の瓦礫とともにバークスリーはオレンジ色の炎の塊の勢いで宙に舞う。そして勢いよく雪の上に激突した。

「なんだ、今のは?」と、叫ぶハンター。

 目の前で大きな爆発が起きたのだ。呆然とそれを見つめるハンター。

 爆発がおさまり、火の粉が舞い散る中、その噴煙の中からスノーとウォーターが現れた。

「お前たち!」

 ハンターは驚きを隠せなかった。

「ハンターさん」と、スノー。

 二人を見て、ホッと胸をなでおろすハンター。

「二人とも大丈夫なのか?ケガは?」

 スノーもウォーターもケガはしていたが、命にかかわるような感じではなかった。むしろ元気な方だった。

「ハンターさんこそ」

 ウォーターが言う。

「ああ、俺は大丈夫だ。少々体を痛めたが、別にそこまでのケガはしていない。心配しなくても大丈夫だ」

「そうですか」

 スノーはあたりを見回した。

「おじいちゃんは?」

「ドルフィンか」

 三人は、ドルフィンが倒れているところまで雪の上を走った。

 派手な弾幕を浴びせられたのだ。正直、死んでてもおかしくなかったはずだった。しかし、ドルフィンは雪の上に倒れてはいたが、声をかけて体を揺さぶると、うめき声を上げながら目を覚ました。

「おじいちゃん、大丈夫?」

「スノーか。ああ、平気だよ」

「どこも撃たれてない?」

 ドルフィンは立ち上がった。

「ああ、大丈夫だ。撃たれてないよ。奇跡的に弾丸が外れたようだ」

 ハンターが安心した声で言う。

「不死身か、ドルフィンよ」

「心配するな。それよりあいつらは?」

「奴らなら、とっくにここを離れたよ。どうするドルフィン?」

 ドルフィンは遠くに倒れている敵の一人を見つけた。

「見ろ。あいつらの一人か?」

 ハンターたちもドルフィンが指さした方向を見る。それは、さっきの爆発で吹き飛ばされたバークスリーの無残な姿だった。

「ああ。俺も運がいい。もしあの爆発がなかったら」

 ハンターがつぶやいた。

「行ってみるか」

 四人とも、満身創痍だったが、それでもバークスリーのそばに寄る。

 奇跡的にバークスリーは、まだ息があった。それでも下半身は大やけどを負い、背骨が折れたように体がねじれていた。痛みに耐えるように、うんうんと唸り声を上げていた。

「オイ!」

 ハンターが声をかける。

「さっきのことを詳しく話せ」

「さっきのこと?なんだそれは?」と、ドルフィン。

「さっき言っていた中性子爆弾のことだ」

「中性子爆弾だって?」

 ハンターたちが驚く。

 バークスリーは倒れたまま、口だけを動かした。

「た、頼む。助けてくれ」

 命乞いなのか、救助して欲しいのか、バークスリーは弱弱しい態度でハンターの方を見た。ハンターも倒れている相手を見返す。

「こいつ、例の鉱脈に中性子爆弾がひそかに保管してある風なことを言っていた」

「中性子爆弾だと?」

 ドルフィンが驚いた顔で聞き返した。しかし、それにもっとも反応したのがウォーターだった。

「それって、もしかして」

 ドルフィンたちがウォーターの方を見る。

「何だ?」

「いや、噂があったんだ。アメリカ製の中性子爆弾が三基、テロリストによって強奪されたって話だ。それを北に運んだとかって。それがもし本当なら」

 つばを飲み込むウォーター。

「ここにあったのか」

 ウォーターは右手で頭を抱えた。

「それで、どこにそれがあるんだって?」

 と、ドルフィンが聞く。

「さっきも言ったろ。あの鉱脈だ」と言うハンター。

「そうだろ?」

 バークスリーは軽くうなづく。

「そうだ」

「あの鉱脈には反対側に出口もある。座標は」とドルフィンが言おうとすると、バークスリーは必死で声をかけた。

「た、頼む、俺を助けて、くれ。お願いだ。死ぬのは、いやだ。こんなところで」

 バークスリーの声がかすむ。

「助けてやる。だが、お前たちのたくらみを全部しゃべってからだ」

 冷徹に言うハンター。

「お前はここで中性子爆弾を爆発させると言ったな。それでそのあとは?」

「全部で三基ある。一基は、この土地で爆発させ、残りの二基を、この土地から、持ち出すんだ」

「そうか」

 ハンターはドルフィンたちの方に向き直る。

「よし、連中の後を追うぞ!俺たちで」

「しかしだな」

 そう言った時、ドルフィンは急にその場に倒れて気を失った。びっくりしたハンターは、思わず叫ぶ。

「ドルフィン!」


*        *        *


 デズモンドとサイモンは、雪上ジープを走らせて、シェルターに向かった。

「なぁ、さっきの轟音は何だったんだろうな?」と、ハンドルを握るデズモンドはサイモンに言った。

「さあな。爆発した音のようだった。それもシェルターの方から聞こえた」

「吹雪ももうおさまった。このままシェルターに行くぞ」

 数分後、瓦礫の山と化したシェルターに着いた。あちこちに火の粉が舞う中、デズモンドたちは雪上ジープを降りた。

「これはいったい何があったんだ?」

「何かの事故か?」

 スノーモービルが三台残っていたので、二人は誰かいないか探した。複数の足跡が雪の上にあるのを見つけた。

「サイモン、こっちだ!」

 銃で武装していた彼らは、慎重に足跡を追う。

 近くに三人の人間がいた。そして二人の人間が倒れているのが見えた。敵か?そう思いながらデズモンドとサイモンは近づいていった。

 よく見ると、一人はハンターだった。

「おおい、どうした。何があった?大丈夫か?」

 デズモンドは大声で声をかける。

 ハンターたちが気がついた。

「警備兵たちだ」とウォーターに耳打ちするハンター。

「デズモンド、それにサイモン」

 ハンターは手を振った。

「助けてくれ!ドルフィンが気絶した。死んではいないが急に目を回したんだ。たぶん血圧だろう。この寒さじゃマズい。連れていけるか?」

「ああ。それにしても、ここでいったい何があったんだ?なぜシェルターがこんなにバラバラに?」

 ドルフィンが倒れているそばで、倒れている別の人物にも目をやるデズモンド。

「そいつは?」

「ああ、テロリストの一味だ」

 ハンターはそう言うと、倒れているドルフィンを起こした。ドルフィンは重かったが、スノーとウォーターがそれを手伝った。

「何が起こった?」と、サイモン。

「テロリストの一味に襲われたんだ。連中プロだぞ。プロの殺し屋集団だ。たぶん資金も装備も豊富に持っている奴らだ。例の鉱脈に向かっているらしい。村の方は何ともないか?」

「テロリスト?そこに倒れている奴もか?」

「ああ、もう虫の息だがな。助けてやれるか?」

 デズモンドとサイモンは顔を合わせた。少し考えてから、「わかった。そいつとドルフィンをジープに載せろ。あとは俺たちで何とかする」

「すまんな。スノー、お前はドルフィンについててやれ」と、ハンター。 

「はい」

 スノーは素直にハンターに従った。

「ウォーター、連中を追うぞ。俺と来てくれるか?」

 ハンターはウォーターの方を見て言った。

「わかりました。行きましょう」

 スノーは、警備兵たちによって運ばれる祖父の姿を見ながら、一言、「気をつけてね」と、ウォーターに言うと、警備兵たちと一緒に雪上ジープの方に向かった。

「ウォーター、ドルフィンのショットガンを持て。俺はH&Kを持つ。連中を中性子爆弾のところに行かせるな。いいな?」

 ウォーターはうなづいた。

「よし、スノーモービルに乗るぞ!」

「はい!」

 武装した彼らは、スノーモービルの一台に二人乗りすると、その場をあとにした。

 スノーはドルフィンが、雪上ジープの荷台に載せられるのを見て、自分も荷台に乗り込んで付き添った。

「おじいちゃん、もう大丈夫だからね。村に連れて行ってくれるから、もう大丈夫よ」

 デズモンドたちは、さらに倒れているバークスリーのところまで来た。

「こいつはどうする?助けるか」

 サイモンがバークスリーの顔を見た。その表情はすでに固まっていた。

「ダメだ。こいつはもう助からない」

 首を横に振るサイモン。さらに首元に指先二本を当てた。

「死んでる」

 バークスリーは体の損傷がひどく、さらにこの寒さに耐えかねて、絶命していた。

「そうか。仕方がないが、こいつはもう置いていこう」

「ああ。そうだな。行こう」

 デズモンドとサイモンは、そう言うと、その場をあとにした。

 その場に残ったのはバークスリーの死体だけであった。



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