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ホワイト・アイランド  作者: 大熊 健
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序章

       序章

        

        

 西ユーラシアを含む、北ヨーロッパでは近年、北欧民族同士の争いが続いていた。

どこが最初に武力を行使したのかは謎だが、まず一年ほど前に起きた、第一次北ヨーロッパ紛争。これにより小競り合いから本格的な戦闘が起こり、多くの民が亡くなった。具体的には一五〇〇人以上の死者が出たのだ。

 その後、東の民族と西の民族が、互いの代表を主とする会談が行われた。それにより、紛争は一時的に終わる。しかし、その間出された停戦決議案が、他国の軍事介入を発端とする事態により破棄となり、現在は第二次北ヨーロッパ紛争が勃発。

 そのため、北ヨーロッパの北西のノルウェー海に位置する島、「極島」が事実上孤立してしまう。雪原地帯を主とする島で、地図にも載らない大きさの「極島」は南との貿易で暮らしている人々が住んでいて、北ヨーロッパの二度に渡る紛争により、、ある程度の貿易制限がかかったのだが、それでも時おり海上封鎖は解かれ、貿易船の行き来は少しだが可能だった。

 

*       *        *

 

 「極島」はかつて無人島であり、気候がマイナス気温三十度の島で、北極並みの環境だったのだが、二十一世紀になってから北欧の移民たちが入ってきた。移民たちの多くは大陸の小さな村から、平和を求めて新天地を目指してやってきた民族だった。

 「極島」はドイツ領に認定されていて、最初はドイツ語が盛んになっていたのだが、北欧との貿易が始まった時から、英語での会話が必要不可欠となり、今では英語が主流になっている。

 島の地下に天然資源が豊富に埋まっているという、開発事業を大陸の大手企業がその話を聞いて、「極島」とのあつれきがあったことは記憶に新しい。そこで「極島」に住む人々の抗議をよそに、開発事業団が派遣され、鉱脈を開く工事が始まったのが七年前。しかし、そこに天然資源はそこまで無かった。開発は中途半端に中断され、それからというもの、「極島」入ろうとする人間はほとんどいなくなった。

 しかし、それでも大陸の紛争のせいで貿易に波があり、「極島」は豊かになることはなかった。


 「極島」は南が紛争解決するのを今も待ち望んでいる。

        


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