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異世界に転職しました  作者: Aries
第5章
97/202

お荷物のお話

 



 例えばだけど、弱いやつ(おにもつ)に荷物持ちをさせたとして、そいつが戦闘でトチるとする


 逃げる途中に逸れたり、手が回らず怪我をしたり、連れ去られたり…


 すると持ってたものはそいつごと無くなるかもしれないわけだ


 と、なるとだ


 食料や回復アイテムなどの消耗品、野営用の備品なんかもそいつごと無くなる事になる


 そうしない為にはそいつを守りながら戦わないといけない


 俺だったら不安だから最低限の食料とポーションは自分で持ち運ぶけどな


 遭難した時に1番重要なのは水だ


 これは魔法でなんとかなる


 その次は食料


 最低限の塩分と糖分はあった方が良い


 水に混ぜると経口補水液になるからな


 砂糖は高価みたいだったし、日本にある砂糖と違って白くない


 不純物も多そうな感じだったので、アイリス様にお願いして用意してもらった蜂蜜を固形にして小分けにしてあるから大丈夫


 食料は携帯食料


 乾燥させた野菜や果物を混ぜて焼いた硬いパンみたいなやつと干し肉


 正直言ってあまり美味しくない


 栄養と腹持ちと保存重視でつくられてる


 不味くて食えないってほどじゃないのが救い


 干し肉は塩味のジャーキー


 これらを今回は10日間、8人分


 野営用のテント、毛布類、ポーション、予備の武器などなど


 結構な量の荷物だ


 俺と陽介の2人で持つのは無理があると思う


 俺らは鑑定ができるから現地調達も可能だが、見ず知らずの土地で知らないものを食べるのは賢い選択とは言えない


 日本でも山でキノコ狩り気分で素人が気軽に手を出して失敗するなんてよく聞く話だ


 ネット小説でよくある大容量のマジックバックはダンジョンで極々稀に出てくる程度だそうだ


 それでも時間停止機能や無限容量なんていうのは伝説の勇者の時代の産物らしい


 容量がそんなに大きく無い物は高ランクの冒険者や貴族、王族辺りでも持ってる奴はいる


 俺と陽介が待たされてるのはマジックバック『小』


 見た目スポーツバッグサイズだけどおよそ二畳分が入るもので、聖国の所有物だ


 そこに今回のアタックに必要なものはほとんど入っている


 予備の武器なんかもあるけど、武器が壊れる状況下において、予備の武器をすぐに使えないなんて、終わったも同然じゃないか?


 まぁ持てというなら持つけど


 入った量通りの重さじゃないし


 聖域の入り口までの馬車の中で、荷物を確認しながら少し憂鬱な気分になってしまった




「ゆいピー荷物はカノウ先輩に預けないです?動きが鈍くなるです。」


(鞄の紐が胸に食い込んでんだよ!アピってんじゃねー!!)


「えーだって小腹が空いた時にいちいち叶パイセンにご飯もらいいくのメンドイし、うちらのためについてきてもらうのに全部持たせるのも微妙じゃん?」


「!!」


「ゆいピー優しい!叶先輩、私も自分のご飯くらいは自分で待ちますよ!ね?ハルカもそうだよね!」


「もちろん自分の分くらいは自分で待ちます。元々、後方支援担当なんで戦闘中も荷物がそんなに邪魔になることはないですから。」


「あっ蜂蜜多めでよろっす。テヘ。」


「あっ!ズルイ。先輩、私も!」


「先輩、贔屓は無しでお願いしますね!」


(なによ!みんなして良い子ぶっちゃって。アイリの鞄にはお菓子入ってるからいらないもーん。)


「そんなこったろーと思ったよ。お前らの目当ては最初から蜂蜜(そっち)だろ。決まった分しかやらないぞ。」


「「「え〜」」」


 えーじゃねーよ


 危機感からかと思えば食い意地からか


 色気のない後輩達だ


 斉藤、小林、飯田、朝比奈のマジックバックは俺らのより小さい


 収納量は『極小』


 まぁ海外旅行用のトランクくらいは入るんじゃないか?


 見た目サイズはマチマチだな


 飯田に至ってはバックというよりポーチか?


「カノウ先輩俺もお願いしまーす。干し肉多めで。あ、光輝には俺が渡しとくんでとりあえず2日分もらえますか?後これ姫様がくれた保存食と薬類なんで、一緒にしといて下さい。俺のバックに食料入れると容量結構ヤバくて。」


「おう。斉藤の分よろしく。」


「助かります。」


「隼人何やってんだ?行くぞー。」


 さてと


「いよいよだね。」


「ああ…。」


 どんなもんだか知らないが、いっちょ頑張るとしますか





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