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異世界に転職しました  作者: Aries
第5章
95/202

フラグ発生?

 




「おい、お前たち!」


((来たー!!))


「割り込みはダメだぞ。入場許可書の提示してくれ。」


「あ、はい。こちらに。」


「うむ。どうぞお気をつけて。次の者!」


 ハンナがさらっと対応して終わった


 彼らはとても目立っていたし、いけすかないと思った者も多くいたが、王国の紋がついたローブを着た魔術師と聖国の紋様が入った白い甲冑アンド聖職者のローブを着た者達の集団に、突っかかるほどおバカな冒険者はいなかった


 勿論ハンナはちゃんと通行許可証を持っているし、身分を証明する物も抜かりなく持っていた


 幸か不幸か、事なきを得ず終えたのだった


 2人の期待は裏切られ、日程はサクサク進む


 斉藤と小林にとって可愛い女の子達との遠足は楽しいものだったが、冒険者を返り討ちにしたり、盗賊に襲われたり、強い魔物に襲われたりというイベントも起こる事なく、ただ採掘しにきただけの状況に物足りなさを感じてしまう


 発掘にロマンを感じない斉藤にとってはちょっと綺麗な石を拾うだけの作業だが、女性陣は宝石が見つかるかもしれない期待感にウキウキしていて、さすがの彼も空気を読んで付き合った


 小林は化石の発掘作業の様で少し楽しくなっていたが、堪え性のない斉藤は帰る頃にはフラストレーションが溜まって爆発寸前だった


 帰りぎわにワイバーンが現れたのは良いストレス発散になったと言える


 見たこのなかったファンタジー感満載の竜種に若干の緊張があったものの、3頭のうち1人1頭ずつ確実に仕留めることができた


 初めての空からの、自分より何倍も大きな魔物に手こずり、素材はほぼダメにしてしまったのは致し方ないだろう


 最後の1頭は素材を取ることに気をつけて仕留めることができたので、彼らなりに満足のいくものとなった


 結局目当ての石は見つからなかったが、ワイバーン3頭という大きな成果を上げることができ、こちらも満足していた


 ワイバーンはそもそも単騎で狩れる魔物ではない


 単体でAランク、大きな群ならSランクの魔物だ


 魔法攻撃は効きにくく、物理攻撃も硬い皮を通さない


 しかも空高くから攻撃してくるし、尾の先の棘には強力な毒がある


 滑空し地面に近づいて来たところで翼を傷つけて引きずり落とし、タコ殴りにするのがオーソドックスな戦闘法


 斉藤と小林は単独でそれぞれ翼にスキルをぶつけてそれをやってのけた


 2人の実力はAランクの冒険者に匹敵するほどに成長していたのだ


 その後パドメとティジャは、ボロボロのワイバーンの死体から素材にできそうな部分と魔石を剥ぎ取り、キャロルとナージャは血で汚れた周囲の浄化


 綺麗に仕留められたワイバーンはハンナとソラによって浮遊の魔法を施され、皆で運び、下山となった


 下山してから、念のためワイバーンの討伐が終わったことをトリーヒルのギルドに報告した


 ワイバーンを単騎で討伐した斉藤と小林の噂はトリーヒルの住民に一気に広まり、ワイバーンの素材から齎される経済効果に商人や職人達は色めき立ったが、素材は全て聖国のポーシャウの元へ運ばれた


 ギルドとはとても揉めたが、誰も冒険者登録をしていなかったのと、正規の登録をして訪れた聖国の聖職者相手に強く出れなかったのでトリーヒルの冒険者ギルドも泣く泣く諦めた


 結局は全てポーシャウの総取りとなったと言える


 今回探していたのはロゼナイトという鉱石


 最高品質のものは見つからなかったが色もまずまずで、ピンポン球サイズの大きさのものが数個とれた


 どういう原理なのかはまだ解明されてないが、魔力含む量により色味が変わり、高品質のものは薔薇色に輝く


 竜の住処や竜の魔力の濃いところにある事が多いため、竜の魔力の結晶ではないかという説が有力視されている


 山岳地帯の入り口付近に落ちてる事も稀にあるのだが、その色は竜の魔力から遠いからか薄い黄色のようなピスで、多少色がついたガラス、綺麗な石ころ程度のものだった


 ロゼナイトは魔法との親和性が良く、高レベルの魔法付与ができるため、魔道具の部品に使われたり、宝石として装飾品にしたりととても需要のある石なのだ


 ただ、必ず見つかるわけじゃないし、常に竜と出会う危険性がある場所のため採掘は難しい


 ポーシャウも最高品質のロゼナイトを持ち帰れるとは思ってなかった


 最近出るワイバーンの討伐ついでに見つけれたらラッキー程度である


 或いは勇者なら若しくは…と勇者の強運に乗っかってみたかったのだ


 ポーシャウはまずまずの結果に満足するのだった







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