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異世界に転職しました  作者: Aries
第5章
89/202

西の教主の手引き

 





 聖国にて、新堂と朝比奈はスキルについて学んでいた


 各所から集められた情報は膨大で、完璧とは言えないものの2人の疑問を解決できるだけの知識があった


 さすが聖国といえる


 それを取りまとめている知恵の姫巫女イネスの手腕も素晴らしいものであった


 イネスの話はとてもわかりやすく、為になったので叶、水瀬、楪も参加して連日勉強会が行われていた


 そのため信仰の姫巫女プリシラも魔法の指導を手伝っている


 プリシラは単純にブリリアント王国とアレクサンダー王子が嫌いだったので、一緒に居たくなかったのもある


 その間斉藤、小林、飯田はというとアレクサンダー王子と共に行動していた


 3人は高レベルだし、今更『お勉強』という気にはなれず、東西の教主へ会うついでに街を見学することにしたのだ


 もちろん付き添いは慈愛の姫巫女ジュリア


 節制の姫巫女サンマリアは勇者が現れたことを各国に通達すると共に、寄せられた面会の書類に埋もれて動けず


 正義の姫巫女エミリーは通常通り、部下に指示を出すのみ


 勇気の姫巫女ケイリーは基本的に聖女の元を離れたがらないし、そもそも人の言うことを聞かないので、いつも何か仕事をしてるわけではない


 こちらも部下が良く働いていた


 ジュリアが率先して接触を計ったのもあるが、西は彼女のテリトリーでもあるため、口出しされることはなかった


 ジュリアは西の教主ポーシャウと共に勇者を取り込む画策をしていたのだ


 他の5人よりステータスも優秀で、()()アレクサンダー王子が直々に目を掛けている勇者の卵3人はジュリアの目からしてもとても興味深いものがあったのだ


 ポーシャウの屋敷で直々におもてなしして見極める算段だ


 この日のために各地から贅の限りを尽くした食材、嗜好品、装飾品を買い集めている


 金で教主の座を買ったと言われるほどの大商人ポーシャウ


 前勇者の故郷の品は流石に間に合わなかったが、他のもので満足させられる自信は十分にあった


 実際、食事には十分満足しているようだった


 彼自身、ジュリア以上に()()()()()()()付加価値と金の匂いを見出している


「いゃ〜勇者はん来られるっちゅーからどんな勇ましい姿かと思いきや、エライか愛らしいお嬢さんや〜。こちらのお兄さん達も男前やないの!」


「こちらが西の教主、ポーシャウ・エンセちゃんよ〜。ポーちゃんに言えば大抵のことは叶えてくるわぁ。」


「まいど、皆さんご贔屓に。宜しゅうおたのもうします。早速でっけど、滞在中にお三方の絵姿を描かせてもらいますよって、お嬢様はまずは上から下までピッカピッカのツッルツルに磨かせてもらいましょ!」


 何も言わずとも、侍女がまるで影のように動く


「おい!アイリンをどこに連れてく?!」


「兄ィさん心配いらへんて、慈愛の姫巫女ジュリア様御用達、極上の癒しで磨きあげてお返ししますよって。もちろん、男子禁制でっせ?お嬢さんも見られたら恥ずかしでっしゃろ?」


「あら、私は上から下までどこを誰に見られても恥ずかしくなんてないわぁ〜。ふふふっ。」


 斉藤と小林はジュリアの色気に当てられて赤面するばかり


 飯田は面白くない


「むむむっアイリだって…ごにょごにょ。」


「コソコソ…バストアップコースもあるから気にせず行ってくるといいわぁ…コソコソ。」


「?!コソコソ…その、そんなに効果あるの?…コソコソ。」


「もちろんよぉ。」


 そう言ってジュリアは、むぎゅっと音を立てて盛り上がる2つの丘をアピールした


(ごぐりっ)


「い、行ってきますです〜!」


 晴天の霹靂


 飯田は目を輝かせ、控えていた侍女と共に部屋を出て行った


 魔王を倒しに行くような強い意気込みに斉藤はたじたじ


「お?おう。気をつけてな。」


「珍しいね、アイリンが別行動とか。」


「ふふっ乙女は美に貪欲なものなのよ〜。それじゃあポーちゃん勇者様お2人はお願いね。」


「任せとき!ほんなら勇者さん方はこっちでっせ。」


「「?」」


「お2人にも、極上の癒しをプレゼントするわぁ〜。行ってらっしゃい〜。」


 斉藤と小林は言われるがまま、ポーシャウに続き部屋を後にした


 そして部屋には2人と静けさが残った


「さて、これは意図していたことか、慈愛の姫巫女?」


 先に口を開いたのはアレクサンダー


「ジュリア、ですわ。アレクサンダー様。あら、お分りいただけませんでしたの?ふふふっ。」


 ゆっくりと足を組み替える


 スリットの隙間から白く磁器のように滑らかな肌が露わになった


「こちらでお話しします?…それとも、奥がよろしくて?」


 アレクサンダーはニヤリと嗤った


「…奥だ。」


 ジュリアは内心ほくそ笑んだ






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