とある館にて
斉藤目線です
ヒャッハー!!
楽しい!
楽しすぎる
異世界最っ高〜
魔物を倒せば倒すほどレベルが上がる
レベルが上がればまた強くなり、さらに強い魔物を狩れる
ゲームと違って最初から装備も良いから舐めプでも余裕
傅く召使いたち
女子の熱い視線、羨望の眼差し
男どもの嫉妬に塗れた視線
気持ち良すぎるぜ
サッカーやってた時もこんな高揚感は無かったな
世界は俺を中心に回ってる
いや、俺が世界を回しているな
2回目の討伐が終わり、レベルはだいぶ上がった
水瀬さんが聖国から帰って来たから8人での初めての遠征だった
だから叶のやつも一緒だ
聖国から帰って来た水瀬さんはレベルが上がり、体力が増えたみたいで、前よりちょっと動けるようになってた
にぶい水瀬さんを俺がさりげなくフォローするっていう計画が、そのせいで台無しだ
しかもなんか行きより叶と仲良くなってる気がする
相変わらずムカつく野郎だ
早くぶちのめしたい
隼人は俺たちとあいつらのレベルの開きが増えるまで待てっていうけど、そこまでしてあいつを生かす必要があるのか?
ほかの女子達にバレないように、納得できる理由がない限りは突き放せないらしい
だから早く俺たちだけレベルを上げて、足手まといだという話に持っていくんだと
それでも着いてくるようなら、強い魔物が俺たちの代わりになんとかしてくれるから、自分たちの手を汚す必要がないんだと
ムカつくけど使えるなら使うっつー感じらしい
なるほどな
面倒だが隼人に任せる事にしてる
作戦を考えるのは隼人の方が上手いからな
まぁそれまでは荷物持ちしてくれ
叶は剣道部らしいし、ほかの兵士達と雑魚掃除くらいはできるだろ
前回討伐した魔物の素材で騎士達には新しい武器や防具が作られた
中層に入るため全てグレードアップしてる
もちろん俺らの武器、防具は最高峰の物を貰ってる
俺が今持ってる剣はミスリル
この国で1番良いやつ
この俺に相応しい
俺にはスキル、火剣があるから剣がなくても困らないけど、森では山火事の心配があるから火属性はあまり使わない様に言われてる
めんどくせーがしゃーない
囁きの樹海に行く前後には街に寄る
まあまあの規模の街だ
飯はイマイチだし、大した娯楽も無いがな
夕食後、俺と隼人はアレクサンダー王子にとある館へ連れて来られた
こいつはアイリンにちょっかい出すいけ好かない男だが、使えるのでとりあえず放置している
なんで俺たちだけ?
この館は何なんだ?
えらくしっかりした造りだし
すげー高そうな装飾品が飾ってある
とりあえず通された部屋でソファに座って待ってたら、知らねぇおっさんが入ってきた
疲れてんのになんなんだよ
わざわざジジイ連れてくんなよ
「この者は聖国の協力者だ。」
「勇者様がた、お目にかかれて光栄に御座います。ジェイコブ・バースモークと申します。以後お見知り置きを。」
「コウキ・サイトウだ。」
「ハヤト・コバヤシです。」
最近俺たちはこの言い方が多い
こっちでは外国みたいに名前からいうので、いちいち説明が面倒だからだ
庶民には名字がないやつもいるらしい
俺らは全員名字があるし、読み書きと小学生レベルの簡単な計算ができただけで、高い水準の教育を修めた身分の高いやつだと思われてる
字が書けねーとかマジか?!
って思ったけど、食べていくのがやっとな貧乏庶民には勉強にかける時間や金はないんだとよ
なるほどな〜
異世界も大変だな
まっ俺には関係ないからどうでもいーけど
「バースモーク卿は我が国の貴族なので、聖国でも数少ない信用のおける者だ。」
「滅相もございません。その様なお言葉を頂き恐悦至極でございます。勇者様方におかれましては、御不便がございましたら何なりとお申し付けください。」
なんだ、聖国の人間なのに男なのか
どうせなら美人のシスターが良かった
隼人も同じ気持ちらしく目があったら苦笑いしてた
「今日、2人を連れてきたのは今後の事を相談しなければならなかったからだ。」
「王子、ここからは私めが。」
「うむ。」
おっさんの話を聞くなんてげんなりだ
くそっ
なんなんだよ
面倒だな
帰るか?
なんて隼人に目配せしてたら、またノックがあって誰かが入ってくるようだった
執事みたいな服の男が隣の部屋からぞろぞろと、何か引き連れてやってきた
それを見た瞬間に俺のテンションは急上昇した
異世界に来て1番の上がりようだ!!
来た来た来た〜!!
ヒャーッハァーー!!!