初めまして
いつものように北口から入る
ここでは魔物が襲ってくることはないけど、高ランクの魔物、精霊がうろういてるので、怒らせたりしないように注意してほしい
また、森には1人で入らないように
聖域の外に出てしまったら、とても強い魔物がいるので、生身では瞬殺されてしまうだろう
そんなことを話しながら家へと向かった
いつもの丘に着いた所で、十六夜が待ってた
ルシフェルとクラルスがこちらに向かってるのがわかったし、みんな揃ったら紹介しよう
ついでにお昼もここで食べようかな
「今日からここに住むことになったから、みんなを紹介するね。まず、この子は十六夜。私の契約している精獣よ。この地の守護をしてもらってるの。」
十六夜はなんか新入りを見定めるように、みんなに視線を送ると興味なさげに座り込んだ
ミーティアと遊んでくれてる
微笑ましい
双子ちゃんの目が十六夜から離れないけどどーしたのかしら?
「彼はルシフェル。一応私のボディーガードな悪魔よ。」
「あら?奥様、そちらがミーティアちゃんのお父様ですか?」
「オリビアさん?!奥様はやめてくださいね!まだ結婚してませんし!ミーティアのお父さんじゃないです!」
「まぁ?てっきりそちらがご主人なのかと思って…違うんですか?」
「はじめましてマダム。残念なことにまだ違うんだ。」
「そうでしたの。オリビアでございます。どうぞよろしく。」
全く
「はいはい。ルシフェルはクラルスの剣術や体術の指導もしてるの。クラルス、挨拶して。」
「くっクラルスでしゅ!6歳です。」
噛んだ〜
照れてる〜
6歳って言いながら手は5って出してる
数字はもうちょっとちゃんと教えないとだな
「シェーンだよ。よろしくね〜。」
「グレースです。」
クラルスとシェーンは仲良くなれそうで良かった
「こっちの双子はフェイメイとフェイユンね。」
「フェイメイネ!よろしくアル!」
「フェイユンヨ!女神!感謝アル!」
感謝?
どう言う事?
「精獣様に会える!これとてもすごい事ネ!」
「精獣様、ネコ科の獣人の憧れヨ!会うために旅してたアル!」
へーそうなんだ
ここには精霊も精獣もいっぱいいるから後で会わせてあげよう
「後この子はミーティア。子龍だから成長が人族と違うし、食べるものも行動も普通と違うから気をつけてね。」
「「ふぉ〜!!神きたアル!!」」
「さすが女神様の娘ね〜。まさか白い龍がいるとは…。」
「すごい。」
「キレイだね〜。」
ミーティアの龍姿を見せたらみんな拝みだしちゃったよ
彼らにとって龍も白い生き物も神聖なものらしい
みんないい人たちでよかったな
ちょっと緊張してたんだよね
あ、風雅忘れてた
「クラルス、風雅はどうしてるの?」
「風雅はお昼寝中でした!」
「そっか。じゃあお家に行った時でいっか。お昼にしましょう。」
ブルの赤ワイン煮込みがあるからそれと、パンとサラダでいいかな
丸太テーブルにクロスを引いてお鍋とお皿を並べていく
オリビアさんがさりげなく手伝ってくれる
お皿についでくれている間に、野菜をちょちょいと魔法でカット
レタス、ベビーリーフ、トマト、ワイルドベリー、クラッシュナッツにベーコンを刻んで混ぜて
チーズとオリーブオイル、塩胡椒のシンプルなサラダ
もらったバルサミコ酢をちょっとかけて完成
うん、美味しそう
じゃあ食べますか!
「みんな協力してくれてありがとう。これからよろしくね。私のことはセレニティって呼んでください。女神様呼びは禁止!それじゃあ頂きます!」
「「頂きます。」」
「いただきます?」
「ん?」
「いたー?」
「「まーす!」」
いつもの癖で言ったけど、エルフご一家はきょとんとしてた
双子ちゃんはそういうの気にしなさそうだし、遠慮しなさそう
気兼ねしなくていいのはこちらも有難い
『頂きます』についで話しながら、和やかにお昼を食べた
エルフの皆さんは女神様にお祈りをして食べるんだって
女神様は私のことになるので、毎回私に仰々しく感謝の言葉を述べられても恥ずかしい
女神様はお姉様だし、説明するとややこしくなるから、我が家のルールで統一してもらった
「姉上!お肉美味しいです!」
「新しい料理だね。」
「このパンは神がかり的なおいしさネ!」
「こんなに美味しいご飯は初めてヨ!」
「まぁ〜なんてコクがあって美味しいんでしょう。」
「すごい。美味しい。」
「ふわふわ〜。」
パンは子供たちにも好評なようです
「商人ギルドのソフィアさん紹介で知り合ったワイナリーでワインを使った料理を作ったの。なかなか美味しいでしょ?」
「うん。そのワイナリー僕も行きたいな。」
「出資してきたからそのお礼に今度ワインをもらうことになってるの。その時についてきていいよ。」
ルシフェルはとっても嬉しそう
ほんとお酒好きだね