表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に転職しました  作者: Aries
第4章
69/202

『気になる』は、好きの始まり

 




 さてさて皆さん揃いまして、近況報告でございます


 その前に、報酬のクリームをお渡しします


 今月は皆さんシアバタークリームです


 最近、皆さん肌ツヤが良くなったとご近所やギルド内でも噂になってる


 特に、目元、口元、手元


 年齢でちゃいますよね〜


 特にソフィアさん、レベッカさんは女性の多い職場ですからね


 いい匂いするし、お肌は綺麗だし、羨望と嫉妬の眼差しが絶えないそうです


 嬉しそうに語っておられます


「そろそろ石鹸の方は他の受付嬢に話しても良いんだけどね〜!冒険者達の評判は上々だよ。あんまり噂になって流行りすぎると、木漏れ日亭の雰囲気が壊れるし、石鹸が買えなくなったらやだってみんな言ってるから、徐々にしか広まってないけど。」


「なるほどですね。マーガレットさん、売れ行きはどうですか?」


「そうですね、今のところ木の葉石鹸が平均して2日に1つ売れてます、お花石鹸は週に1つ売れるかどうか、ですね。」


 まぁ、1回買えばしばらくもつからね〜


「部屋の稼働率はいかがですの?」


「稼働率の方はおかげさまでだいぶ増えており、常時半数以上が埋まっております。」


「なかなか劇的にっていうわけにはいかないわね!」


「レベッカさん、そんなことないですよ?劇的に上がると、ちょっとした綻びから劇的に下がる事があります。中の上、或いは上の下を安定的に続ける方が大事です。勿論、忙しく流行るのも悪くはないですけど、木漏れ日亭の穏やかな雰囲気には合いません。」


「そんなもんかぁ。」


「私も同感ですわ。ただ、冬の事を考えると、もう少し稼働率はあげたいですわね。」


「そうね〜。冬は冒険者も休業する人が多いし、逆にダンジョンにこもるグループも多いから。」


「たしかに。欲を言うともう少し蓄えておきたいですね。まぁ、以前に比べるとお客様も増えましたし、あまりわがまま言えないですが。」


「休業する冒険者達の宿に選んでもらえればいいですわね。」


「寒い季節の対策ですか…木漏れ日亭はお風呂が売りですし、その辺を中心に対策を立てましょう。次回までに何か考えてきますね。」


 ハーブもたくさん入手しましたし、何か新たに考えましょう!


 今日はこれ


 話題もちょうどいい


「寒い季節にぴったりなもの、試してみません?」





 ***





 ホットワインでほっこり


 ハチミツと生姜の砂糖漬け、オレンジ、レモン、シナモン、濃いめに煮出した紅茶


 勿論お砂糖も惜しみなく


 赤ワインはお鍋で湯煎して適温に


 好きな物を好きなだけ入れて自分好みのホットワインを作って飲む


 おつまみは


 マーガレットさんはバケットとチーズ


 ソフィアさんはナッツかな?


 木の実のロースト


 レベッカさんはジャーキー


 女子会も回を重ねるとお互いの持ち寄るものも被らなくなりました


 私は勿論、甘いもの担当だよ


 凝ったものは持ってきてないけどね


 自粛してますから




 ***




 最初はマーガレットさんの、私に対する愚痴から始まり


 クラウンワイナリー話題を自然に出す


 クラウンワイナリーはレベッカさんも知ってたので話が早かった


 事情を知ってる私達と違い、全く知らないレベッカさんの興味を引いたようだ


 何度か話題を変えようとしてたソフィアさんを、三位一体のチームワークで牽制し、ここまで持ってくる事ができた


「で、そのラッセルさんはどんな感じなの?自分から告っちゃうわけ?!」


「まっまま、まさか、そんな!!」


「でも、気になるんですよね?」


「勿論、大切な担当様ですわ。」


「へー。じゃあ他の受付の女に担当替えなったらどうするの?」


「そっそれはっ!」


「誰か女の子紹介してって言われたら?」


「うぅぅ。」


「他の受付嬢の方と楽しそうにお話しされてたり?」


「…そんなのダメですわ!」


 最初は、本当にただの担当とその顧客という気持ちだけだったそうだ


 ワイン造りにかける情熱、直向きな姿勢


 時折見せる爽やかな笑顔


 一生懸命な姿みて、何か自分にもできる事があれば、と考えるようになった


 彼が騙されたと聞いた時は居ても立っても居られなかった


 日に日にやつれていく彼を見て、胸が苦しかった


 ポツリ、ポツリと気持ちを打ち明けてく


 マーガレットさんとレベッカさんの巧みな誘導尋問により追い詰められたソフィアさんは、お酒の力もありお口が緩くなっておられます

 

 ポエムじみた独白をみんな真剣に聞いた


 一途で真面目な性格のソフィアさんのピュアな思いが伝わってきたから


 でも、恥ずかしかってちゃダメよ!


 ラッセルさんは言わないと気づかないと思う!


「その手のタイプは自分から行かないと無理そうですよ?」


 マーガレットさんも同じ思いのようです!


 さすが既婚者


「そうそう!そうなんですよ!しかも、割と真面目で誠実なんだけど、うっかりしてるのでコロっと騙されるんですよ〜。」


「2度目になりますと、自分なんかより…なんて考えが邪魔して踏み出し辛いでしょうし、案外押しに弱くて他の方に押されてコロっと…。」


「そんな!彼の周りにはそんな影は…。」


「その、ラッセルって人、今は精神的に弱ってるんでしょ?!案外コロっと…。」


「いやですわぁ〜!!」


「大丈夫!ソフィア!その時はあたしが飲みに付き合ってあげるわ!あははっ!!」


「「「とりあえず、」」」


「告白です!」


「好きって言っちゃいな!」


「思いを告げましょう」


「っ!」


「ソフィアさんは来月私がくるまでに行動に移す、ということで!」


「「異議なし!!」」


「そんなぁ〜。」


 来月が楽しみですね!








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ