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異世界に転職しました  作者: Aries
第4章
68/202

細工は流々

 






 対策はしっかりとったよね


 クラウンワイナリーの帳簿の確認も終わったし


 借金の払い忘れ、税金の払い忘れもないし


 樽や農具などの備品、肥料や麻袋などの消耗品、細々したものまで買い足ししたし


 サングリアとホットワイン、赤ワイン煮込みのレシピを商標登録もしたし


 噂をたくさん流してもらうし


 今回の滞在はちょっと長くなっちゃったけど、充実してたな


 そろそろ帰らないと


 ハーブの植え替えをしたい


 楽しみ!


 今までできなかったものも作れるね!


 ミント液に漬ける方法は意外とうまく行ったので、違うお肉でも試してみよう!


 なんか、皆さんには実験台になってもらったみたいで申し訳ない


 てへへ


 他国の知らない料理や香辛料ってちょっと勇気いるよね?


 馴染みが無くて


 生ハムにメロンとか


 ゴルゴンゾーラに蜂蜜とか


 最初はえ?!


 って思ってたけど、食べてみると意外に美味しいんだ!


 ってなるみたいな?


 ウサギ肉は軽くミント液を軽く取って、ハーブをつけてたオリーブオイルを多めで、コンフィみたいな感じで焼いてみたの


 お肉はやっぱり、ラム肉みたいに独特のクセがあったけど、ハーブのお陰で美味しく食べれたよ


 先人の知恵は素晴らしいね〜


 漬け込む時間は1時間くらいという結果になったけど、そのくらいならそんなに手間じゃなさそう


 ミントもほっといたらどんどん生えてくる生命力の強い葉っぱだし、コストもそんなにかからないでしょう


 ニンニクは好みが分かれたので、調節してみるそうだ


 チェルシーさんたちにも評判は良かったので、この界隈の人達の口にも合うよね!


 ご兄弟はウサギ肉が高級肉になったって言って凄く感動してたし


 味見でちょっとずつしか食べてなかったけど、なかなかお腹いっぱいだ〜


 今日は木漏れ日亭でゆっくりお風呂に入りたい〜





 ***





 って思ったんだけどこの状況は何だろう?


 マーガレットさん?


 なんか怒ってるのかな?


 怖いですよ


「セレニティさん。」


「な、なんでしょう?」


「他のお店に肩入れするなんて、どういうことですか?」


 え?


 私、他の宿に浮気なんてしてないけど


 石鹸を卸してるのもここだけだし


「他でも料理を教えてらっしゃるんでしょう?」


「ああ、飛竜の尻尾のことですか?」


 え?


 だって、此方は宿屋で、彼方はご飯屋でしょう?


 その辺はちゃんと自重してますよ?


 自分からやり出したことだし


「別に、私は木漏れ日亭と専売契約してるわけじゃないですし、そこまで言われても…。もちろん石鹸を他に卸すつもりはありませんけど。今のところ。」


「それはそうですけど、一言おっしゃってくれても良かったんじゃないですか?料理やワインについてもうちでもご協力できたはずです!それなのに、他のお店にアイディアを持って行ってしまわれて…うちに飽きちゃいましたか?それとも、何かご不満が?!」


「いやいや!そうじゃなくてですね。適材適所というか、なんていうか…これは、あの、私の勘違いかもしれないんですけど…。まだ他の人には話さないでくださいね?」


「はい?」


「実は…。」


 …


 …


 …


「なるほどですね。すみません、早とちりしてしまって。そういう訳でしたか。」


 お互いニヤニヤしてるのはしょうがないよね?


 最初は木漏れ日亭でワイン、っていうのも考えたんだけど、煮込み料理が2つになるのもどうかな〜って


 飛竜の尻尾は冒険者ギルドが近いこともあって、男性客が多く、ニンニク多めでガツンとした料理が多いらしいし


 お酒の消費も多いから仕入れも多い


 何しろフィアンセの実家がワイナリーっていうのも強みだよね


 チェルシーさんの家のハーブも潤沢にあるし


 ただ、サングリアはそんな飛竜の尻尾には合わなさそうなので、他に持っていくことにしたの


 赤ワインのサングリアはラッセルさんやアムルさんに許可取ってるので、木漏れ日亭で出すことにしてる


 白ワインの方は砂糖も結構使うし、コストが上がるので、ちょっと他に持って言ってみようかなって思ってる


 ちょっとツテがあるので


 マーカスさんにはパスタのことをお願いしてるので、まずはパスタソースと乾麺作りに専念してほしい


 木漏れ日亭には木漏れ日亭に合う料理を出していきたいからね!


 カフェっぽい感じにしたいし


 でも、申し訳なかったな


 始めたばかりなのに他所に手を出して、不安にさせてしまったようだ


 思ってることをちゃんと言ってくれるようになったのは良かったかな?


 対等な感じがするよね


「それで、ソフィアさんには確認されたんですか?」


「まだなんです。できれば皆さんの前で聞いた方が良いかと思いまして。私だけでは上手くかわされそうですし?ふふふ。」


「まぁまぁ!セレニティさんったら!でも、そうかもしれません。商人ギルドの受付嬢ですからね!」


「はい。ですから今日はとっておきのお酒とおつまみでおもてなししようかと!」


「まぁ!楽しみですね!ふふふっ。それでは、そろそろ来られるでしょうから、準備してまいりますね。」


「はい!よろしくお願いします。」






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