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異世界に転職しました  作者: Aries
第4章
66/202

ハーブガーデン

 





 赤煉瓦の可愛らしいお家


 小さな庭には様々なハーブが植えられていた


 種類ごとに鉢に植えられて、手入れされていてそれぞれとても良い匂いを漂わせている


 中でも強烈に出迎えてくれたのは、ラベンダー


 1メートルくらいの花壇に植えられいるだけなのに、とても良い匂いがここまで溢れて来ている


 それだけじゃない


 木陰にはミントやローズマリー、セージなどの香草


 可愛い小さな花を咲かせてるのはカモミール


 この茂みはレモングラス?


 あの黄色い小花は何だろう?


 目移りしながらお家の裏の庭を眺めていた


 玄関からじゃなくて庭から入って大丈夫なのかな?


 って、ふと思う


「お、もう作業してら。あれがばーちゃんだ!ばーちーゃん!」


 わっ!


 声が大きい!


 そんなに広くないんだから大声で叫ばなくても…


 ミーティアが起きちゃったらどうしてくれる


 お祖母様は、身長は私よりちょっと小さいかな?


 赤毛をまとめてお団子にしてる


 此方に気づいたお祖母様はは私の顔を見て険しい顔をした


 ?


「このバカ孫!半人前の分際で子供作るなんて10年早いんだよ!」


「なっ!違う!俺の子じゃねーよ!!」


「おまえさんもしかして人様の女に手ぇ出したんかい?!レナというもんがありながら!!恥を知れ馬鹿もーん!!!」


「おばあちゃん違うの!この人は!」


 あれれ?


 なになに?


 レナさんも必死になってお祖母様を止めてる


 お祖母様、流石にスコップで叩いたらヤバイです!


 アワアワしてたらミーティアが起きちゃって、泣き出して、てんやわんや


「まちな!!」


「誤解だって!!」


「違うのおばあちゃん!」


「ほあ"ぁぁあ"ぁぁ。」


「もう!皆さん落ち着いてくださ〜い!!!」




 ***




 ミーティアのせい(おかげ?)もあって、皆さんが落ち着いた所で事情を説明できた


「なんだい?そうならそうと早くお言い!紛らわしい。」


「言う前にばーちゃんが怒鳴って来たんだろーが!」


「大きな声を出すんじゃないよ!子供がまた起きちまうだろ!あんた、勘違いして済まなかったね。アタシはチェルシーだよ。」


「此方こそすみません、いきなりお邪魔して。セレニティです。この子はミーティア。お庭を見せて頂きたくて来ました。よろしくお願いします。」


 チェルシーさんミーティアをアムルの隠し子と勘違いしちゃったのか


 お祖母ちゃんって言うのが申し訳ないほど元気な人だ


「とりあえず中入って飯食おうぜ。」


 お昼にはちょっと早いけど、アムルさんの提案に乗り、ご飯を食べながら話をすることにした


 チェルシーさんもクラウンワイナリーの詳しい事情は知らなかった様で、エドモンド商会に大激怒している


 クラウンワイナリーとは先代の頃からお付き合いがあったそうだ


 亡くなられたご主人もお好きだったんだって


 赤ワイン煮はとても気に入ってくれて、この料理にお庭のハーブを使いたいと申し出たら、快く了承してくれた


 チェルシーさんはご主人が趣味で植えたハーブを大切に育てているけど、他に誰も使わず、チェルシーさんがハーブティーにするか、料理にするか、自分で消費する分しか使わないので、割とすぐにボーボーの庭になるらしい


 もったいない!!


 ご主人のお店でご主人が植えたハーブを使うことが、よっぽど嬉しかったのか、チェルシーさんの頬にほろほろと涙が流れた


 私とレナさんは見て見ぬふりしてたのに、アムルさんが「鬼の目にも涙。」とか言うから、拳骨をくらい大きなタンコブができていた


 おかげでしんみりした空気は無くなったけどね


 チェルシーさんは、花の種やハーブの苗、庭に生えている者も株分けしてたくさんくれた!!


 すごく嬉しい!!


 乙女の箱庭(サンクチュアリィ)で作ることもできるんだけど、私のイメージが曖昧で失敗しそうだったから作ってなかったんだよね〜


 帰って植え直ししよう


 楽しみだわ


 ラベンダーでドライフラワーや石鹸を作ったら良い匂いだろうな〜


 上手くできたらチェルシーさんにも持ってこよう!


 お礼に、お花石鹸を渡したらとても喜んでくれた


 レナさんにももちろんお渡ししましたよ!


 凄い見てたから


 木の葉石鹸のの方だけど、モニカさんと使ってくださいね


 ご飯を食べた後はハーブを間引きながらお庭の整備


 お店で出すブルの赤ワイン煮込みにはタイムとローズマリー、パセリ、ローリエで良いかな


 お肉を柔らかくする効果も期待できるのは、ローレル、タイム、パセリ、オレガノ、クローブとかだけど、組み合わせが無限にあるし、素人が安易に手を出すもんじゃない


 お肉の種類によっても違うみたいだしね


 アムルさんに頑張ってもらおう


 どれをどの位入れるのか、真面目に聞いてくれてるし大丈夫そう


 赤ワイン煮込みが美味しかったから、更に美味しくなる事が驚きのようだ


 レナさんの所のワインを使う、というのもとても嬉しいそうです


 ごちそうさまです


 レナさんは時間があるときに、チェルシーさんにハーブのことを教えてもらってるんだって


 お店でハーブティー出せるようになると良いですね!


 私も飲みに行きたい


 ハーブティーは乾燥したハーブを使うので日持ちするし、色々な匂いがあって和むよね


 まぁチェルシーさんの家は、飛竜の尻尾から割と近いから取りに行くのはそんなに苦じゃないだろうけど


 頻繁に通ってたら直ぐにばれちゃいそうだし


「誰だお前!?」


 庭のお手入れを手伝っていたら、いきなり声をかけられた


 振り向くと知らない男がヅカヅカと入ってきていた


 血生臭い匂い


 ああ!


 せっかく綺麗に咲いていたカモミールが!


「お前、ここで何やってる?!」


 なんなのこの人たち!!


 ゴーーーン!!!


 ゴゴーーーン!!!


「「いって〜!!!」」


 私が文句を言う前に、チェルシーさんの鉄拳が男達に炸裂した!


 ナイスです!!






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