サングリア
「あ、それは!お恥ずかしながら熟成に失敗してしまいまして。」
クオータの小樽に移し替えられたその液体はなんと、ワインビネガーとバルサミコ酢!
やばい!
これ欲しい!!
「ラッセルさん!これ欲しいです!!」
「えぇっ!?この、ダメになったワインですか?」
「はい!これが良いんです!!」
「はぁ。そう仰るなら構いませんけど…。飲めたもんじゃないですよ?本当にそれが良いんですか?」
「はいっ!勿論。」
「こちらとしましては、不要なものですのでそう仰るならどうぞ。いくらでもお持ち帰り頂いて大丈夫です。」
よし!
言質とりました!
「ありがとうございます!」
ラッセルさんは渋々だけど、了承してくれた
亜空間に収納
契約の内容を詰めていきましょう
まずはイマイチワインの購入代金
クオータ16樽なので約4樽分
お酢にになってしまったワインの分含めてのお値段です
大金貨2枚でお支払い
「1樽50万ベリルで4樽分。こちらが代金です。」
「こんな!多すぎます!」
「じゃあ先ほど頂いた分も含めてのお値段ということで。とりあえず、これで税金や来年の仕込みなどの諸々のの支払いを終えてください。」
「ですが!そこまでしていただかなくても大丈夫です!」
「甘い!甘すぎます!ラッセルさん。払い手が払うと言ってるのだから、甘んじて受け入れればいいんです。先ほどは同情を引くような話をして、いざとなったら下手なプライドが邪魔してるんですか?
ここが立ち行かなくなって困るのは貴方だけではないんですよ?子供たち、従業員さんや今から生まれてくる子供も、みーんな路頭に迷わせる気ですか?」
「ぐっ。」
「ここでぐぅぐぅ唸ってる暇があったらさっさと動く!まずは、ソフィアさんと商人ギルドへ行き、年会費などの払込、そして酒造ギルドに税金を払いに行く!」
「はっはい!」
「払えるものは全て払ってきてください。ソフィアさんよろしくお願いします。あ、借金があるならそれも清算してきて下さい。」
ラッセルさんじゃなくてソフィアさんに大金貨3枚渡す
「了解ですわ!」
「私は市場に行って果物を買ってきます。ソフィアさん、シナモンやクローブをなどのスパイスはどちらで買えますか?」
「スパイスは商人ギルドか薬師ギルドに置いてありますが、多少値が張りますわ。」
「そうですね、では1万ベリルで買えるだけ購入してもらえますか?料金はとりあえず私が持ちます。」
「かしこまりましたわ!ではラッセル様、参りましょう!」
追加の銀貨1枚を受け取るとソフィアさんはラッセルさんのことを引っ張ってグイグイ行く
「行ってらっしゃーい。」
「えっ?はっはい!」
ラッセルさんお金持ってたら危なそうだけど、お姉さんが付いてたら大丈夫
商人ギルドで大金貨を崩してから酒造ギルドに行ってくれるでしょう
よし!
じゃあ私も準備しよう!
まずは市場ね!
***
さてさて
出張お料理教室
クラウンワイナリー編開催です!
失敗してもいいように少なめで作りましょう
まずはリンゴとオレンジとレモン
リンゴとオレンジは一箱山盛り入ってそれぞれ1000ベリルでした
めちゃ安い
レモンは数個でOK
中には虫食いとか、見た目が悪いのもあるけど、絞っちゃうので問題ない
これを見た目綺麗なのとそうじゃないのと選り分けてもらって、綺麗な方はお湯で二度洗い
その間に雑貨屋で買ってきた3リットルくらい入りそうなビン
透明じゃなかったし、値段もそこそこしたけどまぁ良し
あとは陶器の入れ物、ひと抱えくらいのサイズ
これも3リットルくらい入るかな
これは塩漬けなどの保存食を作るときの容器って言ってたからちょうど良いね!
煮沸したお湯で殺菌消毒
清潔な布にひっくり返して放置
見た目の悪いオレンジは半分に切って果汁を絞る
見た目の良いものは半月切りに
リンゴは傷んだところを、取り除き8当分したら5ミリくらいの薄さで切る
リンゴの皮は面倒なので付けとこ
陶器の入れ物に赤ワインを3本分、オレンジ3つ分の絞り汁、カットオレンジ、リンゴを2つ分くらい適当に入れて混ぜる
後は、2〜3時間置いとくとだけ!
ワイナリーだったら地下の貯蔵庫が涼しいし保存も大丈夫そうだね
もう1種類は、ビンの周りにオレンジの輪切りとレモンの輪切りを貼り付ける
見た目可愛い
リンゴの果肉は賽の目に切りにして中央に
容器が透明じゃないけど、ちゃんと模様が見えてるからOK!
こっちは白ワインを3本分
リンゴの果汁はラッセルさん達男衆に頑張って絞ってもらいました
コップに3杯分くらい?
後はリンゴがそんなに甘くないので蜂蜜を少々
こちらも2〜3時間放置して完成
私の記憶が曖昧で、漬け込む時間は1日だったか、冷蔵庫で2〜3時間だったか、入れてすぐだったか…
忘れちゃった
てへへ
漬け込みすぎると、果実がワインを吸ってしまうというのは覚えてる
まぁ正直な話、商標登録せずとも見たらすぐわかりそうだけどね!
だからこれをどうやって商品化するか
そこが問題ですね!